(Mikkeller Beer Celebration Copenhagen)

世界的に有名で、称賛を集めているミッケラー。その理由には二つある。一つは、一度限りの限定ビールや、ほかの素晴らしいブルワリーとコラボレーションした、大胆でクリエイティブなビールだ。もう一つは、このデンマークの会社が所有（またはライセンス契約）して運営している、世界各地に点在するミッケラーの名を冠したバーだ。これらの店舗では、ミッケラー以外のビールも、ゲストビールとして著名なブルワリーから数種類提供されている。しかし近頃では、ミッケラーの名前とその哲学は、フェスティバルと結びついていることが多い。

2012年以降、ミッケラーは「コペンハーゲン・ビア・セレブレーション」を開催している。このフェスティバルでは、日本を含む世界各国から、似たような考えを持つブルワリーが集まっている。昨年は名前が変わり、「ミッケラー・ビア・セレブレーション・コペンハーゲン」として開かれた。今年はどうだろう？なんと今回は、ここ日本で行われる。これはビッグニュースだ。

ミッケラー・ビア・セレブレーション・東京（MBCT）は、9月23日と24日に明治神宮外苑総合球技場で開催される。このイベントの目的は、上質なビールのクラフトマンシップの中心地の一つとして、東京を位置付けることだ。MBCTでは、世界でもトップブルワリーが参加して、ユニークで美味しいビールが、ブルワーやブルワリーの代表者から直接注がれる。参加ブルワリーは、ミッケラーの創業者であるミッケル・ボルグ本人によって選ばれている。すべて珠玉のブルワリーで、注目しておきたいところだ。ブルワリーは、デンマークを始め、ベルギー、英国、スウェーデン、ノルウェー、ニュージーランド、米国、中国、ベトナム、香港、台湾、そして日本から参加している。ここで全ブルワリーについて触れることはできないが、いくつか紹介しておこう。以前、本誌でも特集を組んだ、クリエイティブで美味しいビールをつくるガレージ・プロジェクト（ニュージーランド）、ホップが利いたビールが好きな人にはぴったりのIPAをつくるボーンヤード（米国）、アジアで開拓者として成功を収めたグレートリープ（中国）やタイフ（台湾）などが参加している。ミッケラーは当然ながら飲んでおくべきだが、日本からは志賀高原、ヨロッコビール、AJB、箕面ビール、デビルクラフトが参加していて、新しくて面白いビールが飲めることだろう。全体で40ほどのブルワリーが320種類ものビールを提供する。ほかのフェスティバルではめったに飲めないラインナップだ。

全種類は飲めないかもしれないが、それでも多くの種類を味わうことができる。イベントは3時間半のセッションが各日2回ずつ開かれ、飲み放題になっている。ハードコアなビールのファン（「プロフェッショナル」と呼ぶことにしよう）向けに、4つのセッションすべてに入場できる2つの特別チケットも用意されている。ゴールドのチケットは20分早く優先的に入場できるので、ブルワーとゆっくり話すことができる。チケットの価格は1セッション12,500円からと、ほかのフェスティバルと比べ割高に感じるが、それだけ濃い内容になっている。ミッケラーはこのイベントに、最高のブルワリーを世界中から集めたのだ。日本に来るのが初めてのブルワリーも多い。イベントでは、少量の仕込みだったり、原材料にかかる費用がかさむ限定ビールが提供されるので、元々通常価格よりも高く設定されている。そして忘れてはならないのが、今回はブルワーや代表者たちと直接顔を合わせて話ができるという点だ。一生に一度きりの最高の寿司を食べるなら、いくら払うだろうか？その寿司をビールに置き換えてみよう。ピンクのチケットは46,000円だが、2日間で味わえるビールの質の高さを考えれば、「研究」費用ということで、ビールのプロフェッショナルや愛飲家には納得いただけるのではないだろうか。これらのブルワリーを実際に訪れたり、世界中からビールを輸入するよりはずっと安くあがる。各チケットにはグラス1脚がついてくるほか、Tシャツなどのグッズは会場で販売されている。

会場ではフード（コーヒーやカクテルも）の販売もあるので、お腹が空いても心配無用だ。タコス、ビーガンカレー、たこ焼き、ミッケラーの人気ミートボール、ハンバーガー、ラーメン、AQベボリューションの餃子などが提供される予定だ。AQのレシピと歴史はジャパンビアタイムズの前号でも特集したが、彼らがつくる本物の餃子を是非食べてみよう。

イベントはキャッシュレスで開催される。ビールはチケット代に含まれているが、フードやグッズの代金はSquareの決済サービスで支払う。詳しくはウェブサイトhttps://mbctokyo.com、または渋谷のミッケラー東京で確認しよう。東京にミッケラーのバーがあるのを知らなかったなら、ぜひ行ってみよう。素晴らしいビールの数々を飲めば、フェスティバルにも行きたくなること必至だ。

Tickets: https://mbctokyo.com/en/tickets/

(Mikkel Borg Bjergsø)