Beer Roundup (Spring 2016)

Cherry blossoms blooming in Kanazawa Cherry blossoms blooming in Kanazawa

春は日本で最も美しい季節である。このことに反論するほうが難しい。もちろん、もしあなたがウィンタースポーツファンなら、雪解けを見て嘆くだろう。しかし、気温が暖かくなり日も長くなるにつれ、アウトドアを楽しむ機会がより一層増すような気がする。ということは、ビールを屋外で楽しむ機会も増える。日本の法律は屋外の公共の場でビールを飲むことを認めているが、これは素晴らしいことだ。美しい季節と寛容な法律をうまく利用しよう!しかし、飲み過ぎて花見ゾンビにならないように気を付けよう。

この冬、ビール業界では注目すべき動きがいくつかあった。私たちが唯一参加した主要フェスティバル、横浜が会場となるJapan Brewers Cup Festivalは3年目の開催を無事に(そしてゾンビも出没することなく)幕を閉じた。このフェスティバルではブルワー自らが審査員となるコンテストも行われる。審査結果は、ピルスナー部門は箱根ビールとプランクが同率優勝、IPA部門では丹羽智がアウトサイダーのエニグマIPAで優勝、そして、なんとも広義なカテゴリー「濃色系ビール」部門は、那須高原の那須ロイヤルスタウトが1位を獲得した。その一方、同イベントの実行委員長であり、横浜ベイブルーイングの創業者でもある鈴木真也は同ブルワリーの拡大工事も控えており大忙しだった。

Japan Brewers Cup IPA award winners Japan Brewers Cup IPA award winners

海外では、サンフランシスコのベイエリアで毎年恒例のビアウィークが1月下旬に行われ、オークランドはいつものように日本に愛を示した。地元企業のトラピストとウマミ・マートは毎年、ビアウィークの週にジャパンビアフェストも開催している。日本のさまざまなクラフトビールブルワリーが出店するこのイベントには何百人もの人が駆けつけた。すぐ近くのRosamunde Sausageという飲食店ではコエドの定番銘柄5種がすべて揃った。そもそも「ビアウィーク」とは一体何なのだろう。

Japan Beer Fest at The Trappist (photo: Hermexial Drexilus) Japan Beer Fest at The Trappist (photo: Hermexial Drexilus)

米国のほとんどの主要都市、そしてヨーロッパやその他の地域のいくつかの都市は、地元のクラフトビールを称賛するためにビアウィークを催す。通常、組合という形で結束したローカルブルワリーが、地元の飲食店と協力し、一般客のため、たくさんのスペシャルイベントを、計画、告知、実施する。ビアウィークが確立されている街では、このイベントで、出店するブルワリーやバーは高収入を得ることができ、お客(ゾンビと化すお客は除く)は非常に満足のいく、にぎやかな週となる。

日本は東京ビアウィークをもって独自のものを追求してきた。3年目を迎える今年は4月15日から開催される。実行員会のメンバーはこの年に一度のイベントがほかの海外の都市で行われるものと同じぐらい盛大に、そしてクラフトビールファンにとって大切な存在になるよう努めている。もちろん、すばらしいビールを祝うことが主な目的だが、もっと重要なのは、クラフトビール文化を人々に知ってもらうことだ。よく考えられたフードペアリングを参加する飲食店に取り入れることが成功の秘訣だ。がんばれ東京! 君たちならできる! 同イベントに関する詳細は、ホームページで確認しよう:http://beerweek.jp/2016/

Tokyo Beer Week (photo: AQ Bevolution) Tokyo Beer Week (photo: AQ Bevolution)

Tokyo Beer Week (photo: AQ Bevolution) Tokyo Beer Week (photo: AQ Bevolution)

過去数か月、一週間に一つぐらいのペースでかなりの数の新規ブルワリーのオープンを見てきた。クラフトビールを取り扱うバーの数は急増し続けている。2016年1月、日本の主要新聞までもが日本の第2次クラフトブームを目の当たりにしているという記事を掲載した(1回目のブームは1990年代中ごろだったが、品質の悪さが原因ですぐに終わった)。しかし、顕著な成長は、既存ブルワリーの新規タップルームの開店である。おそらく一番のサプライズは、富士桜高原麦酒が六本木にタップルームをオープンするというニュースだ。同ブルワリー初、のどかな富士山エリアを出ての開店だ。ヤッホーブルーイングの公式ビアバー、よなよなビアワークスの3店舗目が吉祥寺にオープンする。ピザファンは、デビルクラフトが3つめのレストランを開店し、彼らのシカゴスタイルピザとオリジナルビールを提供すると聞いて喜ぶに違いない。スワンレイクは田町に新たなパブをオープンする。そして、最後は……ベアードが高田馬場に都内では第3号(全体では6号店目)となるタップルームをオープンする。記憶を呼び起こすと、この新規開店の動きはなにも新しいことではない。昨年、箕面ビールは大阪に2つの美しいタップルームを開店し、一方でコエドは初代の醸造設備を使用し、スタイリッシュなブルーパブを川越に開いた。

New Fujizakura taproom in Roppongi (photo: Fujizakura) New Fujizakura taproom in Roppongi (photo: Fujizakura)

いったいどうやったらこれらすべての新店舗情報を把握できるのだろう。完璧な情報源はないが、ブルワリーに興味があるあなたには、マーク・メリの『Craft Beer in Japan: the essential guide』が最も信頼できるソースとしておすすめだ。メリは本誌のビアスタイルコラムのライターでもある。同著改訂版の日本語訳が最近完成し、日本語版がまもなくリリース予定である。日本のすべてのブルワリーとそれぞれのビールの味の記録、おすすめのバーやイベントなどがまとめられた同ガイドブックは、ビール愛飲家にとって貴重な情報源となるはず。本リリースを我々も非常に楽しみにしている。

Professor Mark Meli, author of Craft Beer in Japan: the essential guide
Professor Mark Meli, author of Craft Beer in Japan: the essential guide

また、日本のブルワーが最近行っている海外のブルワリーとのコラボレーションビールからも目が離せない。去年、コエド、ストーン、ガレージプロジェクトが米国への輸出用にニュージーランドの白ワインの樽で熟成させたプラムセゾンをつくった。そのビールは西海岸で間もなくリリースされ、運がいい人は飲むことができる。箕面は英国のブライトンビール社とタッグを組み、麦茶を使ってイングリッシュビターをつくった。イングランドでは2週間で完売、日本では本稿執筆中に発売されることとなる……。最後に、ベアードは2つのコラボレーションビールをつくった。一つは、ポーランドのブローヴァル・ピンタというブルワリーとのコラボでバルチックポーターを。もう一つは、米国ケンタッキー州のカントリーボーイブルーイングと、ライウイスキー樽熟成ビールを。これは、カントリーボーイのレイジーライペールエール(ライビールについては本誌のビールスタイルコラムを参照)とベアードのばかやろー!エール(アメリカンストロングエール)とのハイブリットビールで、今年4月下旬に日本でリリースされる予定だ。ゾンビが群がってくる前に、これらのビールを飲みに出かけよう!

Coedo, Stone and Garage Project three-continent collaboration Coedo, Stone and Garage Project three-continent collaboration

This article was published in Japan Beer Times #26 (Spring 2016) and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.