by Ry Beville
みちのく福島路ビールは、早くから日本でドイツスタイルのクラフトビールを醸造してきたブルワリーの1つである。以来、みちのくは進化し、最終的に生き残った。初期クラフトビールブームの衰退だけでなく、東北を震撼させ、福島の名声を傷つけた3.11の東日本大震災からも。彼らは彼らが造る高品質のビールによって救われた。また、友人達からも多少の手助けを受け、切り抜けた。まだもう少し受けられるのではないだろうか。
福島は完全に回復したというわけでは決してないし、県名からネガティブなことを連想してしまう人がいるのも理解できる。しかし、海岸沿いにある活動不能となった原子力発電所は、福島市およびみちのく福島の醸造所からかなり離れている。独立した科学機関によれば、市場に出回る福島県産の製品は、みちのくビールを含め、安全であるとの評価を受けている。
数ヶ月前、私は福島県農業総合センターを訪れ、地元の製品が厳正な放射能汚染検査を受けるプロセスを間近で見ることができた。全ての検査がこのセンターで行われる。福島県産の製品はここに運ばれ、最新技術を駆使した機器により放射能検出のスキャンにかけられる。センターは透明性を大事にしており、来訪者はこのプロセスを見学することができる。その結果は公開もされる。
そのプロセスの一部始終を自分の目で見届けた上で、私の個人的な見解を述べるならば、福島県産の製品は、おそらく私が疑問も持たず食べている他のどの食品よりも安全であろうということだ。しかし、あなたにとって何が正しいかを決めるのはあなた自身だ。福島のある優秀な医師は、ストレスや喫煙、無理なダイエットと…飲み過ぎ(!)による悪影響の方がはるかに心配であると話してくれた。
ビールは素晴らしいものだが、飲み過ぎないように気をつけて!では皆さん、心優しいブルワー、吉田真二さんのインタビューをどうぞお読み下さい。
福島みちのくの定番ビールを教えてください。
ピルスナー、デュンケル、ヴァイツェン。この3つのドイツスタイルビールが定番ですね。
季節ビールはありますか?
新しく「フレンズラガー」というビールをボランティアさんと一緒に造りました。あとは福島県産の果物を使ったフルーツビールをどんどん開発しています。リンゴのラガー、イチゴのエールができました。あとは桃のビールも今年中に造る予定でいます。
なぜ定番ビールをドイツビールにしたのでしょうか?
社長と初代工場長が世界中のビールを飲み歩いていたとき、ドイツビールこそがみちのくを通じて日本に広めたい味だと思いました。そこでドイツスタイルに焦点を絞ったのです。1997年頃の話です。
その頃はちょうど日本のクラフトビール黎明期で、その後最初のブームが終わり、状況が非常に厳しくなりますよね。どのようにしてその困難を乗り越えたのでしょうか。
実際のところ、みちのくに関しては特に出荷量が落ちることはありませんでした。というのも卸先が主に地元で、それらに支えられていましたから。
今でも地元ベース?
はい。今でも地元が強いです。特に温泉街ですね。
創業当時、醸造方法を教えてくれたのは誰でしたか?
須山義昭さんという方です。キリンビールの熟練職人だった方でした。僕は3代目の工場長です。オリジナルレシピは全て須山さんが考案しましたが、その後十数年の間に、あちこちマイナーチェンジを加えました。
マイナーチェンジの理由は?
新しいビールや「フレンズラガー」などのスピンオフビールを造りたいからです。常に新しいものを開発していきたい。定番ビールにはほとんど手を加えませんが、他のものについては、例えばホップといった原料を変えたりはします。
みちのくに入社された理由を教えてください。
それは・・・父が社長だからです!
意見が対立することもある?
ありますね。家族経営なので、時に言いたいことを言い合いながらやっています。
権限が一番強いのは…?
社長です。社長に意見を言うことはありますが、最終的には社長の意見が通ります。彼の許可をもらえれば造れますが。
今までに大きな失敗はありましたか?バッチを捨てなければいけなかったとか。
ないですね。今のところは順調です。
では、みちのくビールの中で一番人気のビールを教えてください。
ピルスナーです。ピルスナーに関してはレシピを変えず、いつも同じ味で造り続けています。他社と比べてモルトの香りが強く、どっしりと重めの味わいが特徴です。
福島みちのくビールの安全性を確保している方法を教えてください。
醸造したビールの放射能汚染に関し、使用する原料も含めて厳正な検査を行っています。アップルラガーのリンゴも検査しています。みちのくビールの安全性は守られています。ホームページでも全ての検出報告書を掲載していますから。とはいえ、やはり、関東方面では食の安全性に関する懸念から半分以上のお客様が離れてしまいました。
今では持ち直しましたか?
はい、今では以前の7割くらいまでに回復しました。
アウグスビールとポパイの青木さんのサポートを受けていますよね?彼らのためにビールを造る予定はありますか?
はい、造る予定です。お二人のサポートにはとても感謝しています。青木さんには震災直後、何か必要なものはないかとの電話を頂きました。たくさんの元気を皆様から頂いています。他のビアバーさんにもゲストビールとして私達のビールをご購入頂きました。皆様のサポートのおかげでやってこれたようなものです。
これからも頑張ってくださいね!お時間を頂きありがとうございました。
This article was published in Japan Beer Times # () and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.