Craft Beer Expo at Aeon Liquors, Jiyugaoka

昨年8月大好評だった試飲即売会イベント、CRAFT BEER EXPOの第2回目が今年もイオンリカー自由が丘にて開催されます(4月23日と24日)。参加費は1000円でグラス付き。国内外のクラフトビール50銘柄以上を試すことができます。その場でビールを購入した方は、抽選で豪華ノベルティーグッズが当たるチャンスもあります。イベント中に出会ったお気に入りのビールを買って、友だちや家族と乾杯するのもいいかもしれないですね。 On the heels of last August’s very popular sessions, Aeon Liquors in Jiyugaoka will be hosting its 2nd tasting event on April 23rd and 24th. For ¥1000, participants in their Craft Beer Expo will receive a complimentary glass and the opportunity to sample more than 50 different foreign and domestic craft beers.…

みちのく福島路ビール

〜黄金桃リッチエール〜 福島市のブルワリー、みちのく福島路ビールの季節限定銘柄「黄金桃(おうごんとう)のリッチエール」の販売が好調である。黄金桃は福島県産の桃の希少品種。8月下旬から9月上旬に収穫され、皮や果肉が黄色く甘い香りがすることから「北のマンゴー」とも呼ばれる。実が付きにくいなど栽培が難しく収穫期間が短いため、栽培する農家は多くないが、実に450年の営農の実績を誇る伊達農園(福島県伊達市)などで栽培されたものを使っている。 昨年3月に初めて発売され、繊維が多いために果汁づくりに苦労したというが、完成品は好評を得て、今年も製造・販売されることとなった。定番銘柄の「桃のラガー」と比べると、桃らしい香りがより強くなっている。単体でも十分楽しめるのが、はっきりとしたフルーティーな香りで例えば生魚や生肉の臭味を隠し、うま味をもっと前に出させる効果がある。 もう一つ、興味深い銘柄として登場したのは、ザ・リッチビターだ。これはビアスタイルで言えばウインナスタイルラガーで、麦芽の香ばしさがよく感じられる。それでいて、銘柄名の通り、はっきりとした苦味もあるので、火を通した肉料理に合わせると、香ばしさが高まり合いつつ、うま味を強化できる。 執筆・構成:Jinya Kumagai

オーストラリアンインターナショナルビアアワード

毎年開催されるビール審査会としては世界最大規模である「オーストラリアンインターナショナルビアアワード」が、今年も5月に同国メルボルンで開催される。昨年は311ブルワリーから1699銘柄のビールが出品され、日本からは木内酒造とコエドブルワリーが受賞を果たしている。 筆者は昨年、この審査会に審査員として参加した。ヴィクトリア州農業協会(RASV)が主催であることや、審査終了と同日に幕開けとなるメルボルンビアウィークと連携している効果であろうか、まずその規模に圧倒された。特に、ビールを提供する設備は、日本の平均的なビアパブの10軒分には上る。そしてビールを提供する「スチュワード」と呼ばれるスタッフもよく訓練されている。審査員による彼らの仕事ぶりに対する投票システムは、やる気の向上につながっているだろう。 審査員は、ブルワリー関係者はもちろん、ホップの卸売業者や醸造学校の講師など多彩な顔ぶれだが、醸造技術が分かる面々が中心。今年は日本から、国際的な審査員として認められている業界関係者が4人も選ばれている。審査員には、技術的な面をきちんと評価し、そうしたことをコメントに記すことが奨励されている。出品したブルワリーは、受賞できるかどうか以上に、今後の製造方法に関する的確なヒントが得られる、ということを出品経験のあるブルワリー関係者が認めている。 点数の集計はそれぞれの審査テーブルごとに行われるが、「アソシエートジャッジ」という審査員がその仕事を担当するので、ほかの審査員はビールに向き合うことに集中できる。審査対象のビールがグラスに注がれて出されるのもいい。天井が高く広々とした審査会場は、建設的な議論を進めるのに適しているということは、心理学でも説明され得るだろう。こうした素晴らしい環境で本当に優れたビールが受賞を獲得していることを、審査経験者の一人として証言する。   ブルワリーの皆様へ(編集部より) この審査会への出品にご関心をお持ちのブルワーの方は、お早めに私たちにご連絡ください。出品登録の締め切りは2016年3月24日です。登録用紙や詳細は英語で書かれていますので、私たちがお手伝いします。みなさまが受賞する姿を見たいのです! 執筆・構成:Jinya Kumagai 詳しい情報はこちら、またはinfo@japanbeertimes.comまでご連絡ください。

コエド、田沢湖受賞コメント~European Beer Star 2015~

12回目を数えるヨーロピアンビアスターでは、45カ国から1957銘柄のビールが出品され、日本からは田沢湖ビールがデュッセルドルフスタイルアルトビア部門で銅賞、コエドビールがジャーマンスタイルシュヴァルツビア部門で金賞を獲得した。両者を祝福するとともに、受賞コメントを掲載したい。 田沢湖ビール・小松勝久工場長からのコメント。 「ドイツ、デュッセルドルフで愛されているアルトビール。市街にはアルトビールを提供するブルワリーがたくさんありそれぞれの味わいがあります。そのデュッセルドルフで飲んだアルトビールでのうち、自分が一番美味しいと思ったブルワリーの味を参考にして研究や試行錯誤の末できた味が田沢湖ビールアルトです。アルトビールはベースモルトに焙煎モルトを加えており、色は赤褐色。さわやかなホップの苦味と麦芽の風味がマッチした味わいです。いろいろな料理と合いますが、特にハムソーセージなど肉料理と一緒に飲むとさらに美味しく飲めます。ヨーロピアンビアスターはドイツで開催されている世界大会です。アルトビールの本場・ドイツで賞をいただけたことは非常にうれしく思います。来年以降も挑戦し、さらに上の賞がいただけるよう頑張っていきますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします」 コエドブルワリー(協同商事)からはまず、授賞式にも出席した、カスタマーコミュニケーションチーム・原田康平のコメント。 「コエドは近年、ビール審査会への出品は、世界中からビールが出品されるワールドビアカップとヨーロピアンビアスターに絞っています。特にこのヨーロピアンビアスターは、コエドの定番銘柄のスタイルの発祥地であるドイツで開催されていることもあり、受賞は大変誇らしく思います。アジア勢での受賞は日本だけであり、授賞式ではひと際大きな拍手をいただいたのが印象的でした」 同社の朝霧重治・代表取締役社長のコメント 「コエドではある特定のスタイルの再現に重きを置いているわけではありませんし、受賞そのものを目標としているわけでもありません。しかし定番商品の品質の安定化を非常に重要視していますので、手前味噌である社内評価のみならず、外部専門機関による一定の評価をいただけることは大切なことです。今後も一層醸造技術に磨きをかけていければと思います」 中国でヤンタイプラチナムブルワリーを経営し、このヨーロピアンビアスターだけでなくワールドビアカップや日本のインターナショナルビアカップでの審査経験を持つユン・ジュンウンは、ヨーロピアンビアスターの特徴をこう語る。 「ほかの世界的な審査会と比べて、ヨーロッパの伝統的なビアスタイルに特化している印象です。審査員の多くは大陸ヨーロッパ出身で、彼らはもちろんそれらに精通しています。ヨーロッパからはるか遠く離れた日本のコエドと田沢湖のビールが、ヨーロッパの本当に伝統的なビールとして味わえることは、素晴らしいことです」 なお、すべての受賞銘柄は下記リンクのページから参照することができる。 http://european-beer-star.com/ebs15_en/downloads/presse/winners2015.pdf 執筆・構成:Jinya Kumagai

アウトサイダーブルーイングがグランプリ獲得 ビアワングランプリ2015表彰式リポート

取材・執筆: Kumagai Jinya 2015年11月8日、東京・両国のポパイにて、2015年ビアワングランプリの表彰式が開催された。ビアワングランプリは、今年9月21日に行われたビール審査会とビアフェスティバルが複合したイベントであり、今年で2回目を数える。 今回は、100以上のクラフトビール取扱店 (飲食店と酒販店)に声を掛け、各店が勧める銘柄をノミネート候補として挙げてもらうよう打診。その中から、季節限定や不定期醸造の銘柄を除外して、出品を募った。 そうして出品されたビールは、9月21日に来場した一般参加者にテイスティングの上、人気投票してもらい、そこに同日に別会場で実施された審査員による採点を加味し、八つの部門ごとに受賞銘柄を選出した。審査対象となったノミネートビール数は58銘柄、審査委員・ジャッジ は17人(審査委員長:藤原ヒロユキ)、一般投票数 (有効票、1人当たり最多3票まで投票可)は237人から593票であった。 部門ごとの受賞銘柄は以下の通り(ブランド名/銘柄名)。 ○ウィートビール部門 門司港レトロビール/ヴァイツェン ○ライトカラーラガー部門 常陸野ネストビール/ラガー ○ライトカラーエール部門 のぼりべつ地ビール鬼伝説/金鬼SSSペールエール ○IPA部門 湘南ビール/IPA ○ダークカラービール部門 スワンレイクビール/アンバースワンエール ○スタウト&ポーター部門 いわて蔵ビール/オイスタースタウト ○ストロングビール部門 アウトサイダーブルーイング/ピットブルバーレーワイン ○フレーヴァー&スペシャリティー部門 アウトサイダーブルーイング/スコティッシュスモークエール これらのうち、全ノミネート中で最高得点を得てグランプリとなったのは、アウトサイダーブルーイング(甲府市)のスコティッシュスモークエールであった。ブルワーである丹羽智は、「今年でビールをつくり始めて19年目であり、来年は20周年。この節目に大きな賞をいただき、本当に感謝しています」と喜びを語った。 「すみだBeer Festival実行委員会」とともにこの審査会を主催したNPO法人「日本の地ビールを支援する会」の青木辰男理事長(ご存じのようにポパイのオーナーでもある)は、「こうした審査会を続けて良いビールを伝えていきたい。これからクラフトビールをつくるメーカーや扱うお店も増えていくであろうなか、私たちが『これが美味しいビールだよ』と初めて飲む人に教えてあげる義務があるのではないでしょうか。そうすることでビールの文化が広がっていくと思います」と審査会の意義を語った。 表彰式の後は引き続き懇親会が開かれ、参加者は各受賞ビールを楽しんだ。