Fukuoka Reloaded
English coming soon. 2013年秋号でお伝えした通り、2013年夏号の福岡特集で福岡市でのクラフトビールの歴史に関する重要な情報がいくつか抜け落ちておりました。この点、福岡市民の読者にご指摘を頂き確認したところ、指摘の通りであるとわかりました(何年も前のことなので忘れていたことがいくつかあったのです)。記録を正した上での記事の全容は以下の通りです。 福岡で”クラフトビールの樽”を初めて出した店はどこか? 地ビール解禁後の90年代末には福岡にも多くのマイクロブリュアリーが出来、そこに併設されるレストランなどで地ビールを飲むことが出来た。例えば福岡市内なら、文字通り中洲にあった『中洲ブルワリー(現鹿児島の『城山ブルワリー』)』や海の中道の『海BEビール』などがそうだ。天神の西通りには『銀河高原ビール』直営の地ビールレストランもあった(残念ながらどこも長続きしなかったが)。しかし、その様な所謂ブリューパブ的なお店ではなく”マルチタップを揃えたビアバーでクラフトビールの樽”を福岡で初めて出したのは、2003年の8月に親富幸通りと渡辺通りの間の狭い路地に面したビルの2階に開店した『Beer’s』であろう。20人も入れば満員の狭い店内にも関わらずビールを提供するタップは12もあった。これは当時としては全国でも多い方であろう。開店当初に飲めたクラフトビールは地元福岡の『杉能舎』・『ケーズブルーイングカンパニー』、大分の『ゆふいんビール』、熊本の『火の国ビール』等の九州で造られるものが主だった。『キリン』の「ハートランド」・「ブラウマイスター」、『アサヒ』の「琥珀の時間」と言った国内大手のプレミアムビールやイギリスの『グリーンキング醸造所』の「アボットエール」・「オールド・スペクルドヘン」等の海外のクラフトビールも飲むことが出来た。初めは閑散としていたが日を重ねるごとにお客も増え、それに合わせるようにビールのラインナップも豊富になり提供される国内のクラフトビールも九州から全国へと広がって行った(『ベアード』や『箕面ビール』等)。ハンドポンプで提供される”リアルエール”を福岡で最初に飲めたのもこのお店が初めてであろう(銘柄は恐らく『ヤッホー』の「東京ブラック」)。残念ながら、店は2006年の年末に多くの人に惜しまれながら閉店した。福岡のクラフトビアシーンは一旦ここで終焉を迎えるように見えたが、その火は実はまだ消えていなかった。火を繋いだのは『Beer’s』が閉店する3ヶ月前に別府にオープンした『Paddy(現Beer Paddy Fukuoka)』だ。2006年10月の開店時から『松江地ビール』醸造のオリジナルスタウトを出し、その後も日本のクラフトビールを提供し続けた。そして2012年の10月に現在の場所に移転し、満を持してマルチタップによる国内クラフトビールを提供するお店へと進化した。福岡のクラフトビアシーンを創ったのは『Beer’s』だ、そしてそれを繋いだのは『Paddy』であろう。 原田景太