(photo c/o City of Munich)
新型コロナウイルスの影響を受け、世界各地のビアフェスが延期もしくは中止に追い込まれている。規模を縮小して夏の開催を検討している国もあるが、十分に安全対策を行った上で、予定通り開催するところもある。そんな中、ドイツのオクトーバーフェストが中止という驚くべきニュースが飛び込んできた。
4月21日に行われた記者会見で、バイエルン州首相のマルクス・ゼーダーとミュンヘン市長のディーター・ライターから、今年のオクトーバーフェストは公共の安全確保のため中止とするという衝撃的な発表があった。新型コロナウイルスのワクチンが開発されていない段階で、混みあったビアホールで肩を寄せ合いビールを飲むのは公衆衛生上の大惨事を引き起こしかねないというのがその理由だ。時期尚早という見方もあるが、多くの国に比べ、ドイツはウイルスに対してより厳しい姿勢で臨んでいる。一般的に、ワクチンが開発されない限り感染は拡大すると考えられているので、それまで大規模なイベントは開催できない。ゼーダーは加えて「ワクチンや特効薬がないうちは、特別な対応が必要だ」と述べた。
世界最大規模のオクトーバーフェストは9月19日から10月14日まで開催予定で、来場者は600万人を見込んでいた。ビール業界の景気が落ち込む中、中止によってさらに深刻な打撃を受ける数多くの地元企業や労働者のことを思うと心が痛む。
(各種情報はオクトーバーフェスト公式サイトoktoberfest.deを参考にしている)