Herbs & Spices

ハーブ&スパイスを使ったビールは日本には存在しない。日本ではハーブやスパイスを使ったビールは、麦芽100%で造ってもビールとは表記出来ず、発泡酒と呼ばなければならないから。だから日本の法律で考えれば、ベルギービール文化の大半はベルギー発泡酒文化という事になってしまう。ベルギービールを世界に広めたのもハーブ・スパイスの魅力があったからこそ・・・。悲しいものです。 という事で今回はハーブ&スパイスをテーマにしてみました。ホップが使われる以前のビールには、ハーブやスパイスがホップの代わりに使用されていました。体を温めたり、消化不良を吹き飛ばすなどの効果が期待されるものもあります。

現在では、多様なハーブやスパイスが使用されたユニークなビールがたくさん造られています。例えば、ヒューガルデンホワイトなどのベルジャンスタイルホワイトエールには、乾燥させたオレンジの皮とコリアンダーが使用されています。この場合のコリアンダーは、香り付けではなく、ホップの収穫量が少ない地域でホップ以外の物から苦味を補う為にと使用されます。

驚くことにビールには唐辛子なんてのも使われているんですよ。横浜ビールが激辛のハバネロを使ったビールを造ったり、アメリカのオレゴンにあるローグエールではチポトレ(燻製唐辛子)を使ったビールが造られました。

肉料理や、魚料理の臭み消すために、使用される“ナツメグ”も、よくビールに使用されます。ですが、あまり大量に摂取しすぎると、痙攣(けいれん)や幻覚症状を引き起こす可能性があるらしいですよ。ご注意を・・・。

10、11月の季節ビールでパンプキンを使ったビールが幾つかのブルワリーからリリースされます。パンプキンエールに必ずと言っていいほど使われているのが、シナモンです。もう少ししたら、クリスマスエールが登場してきますね。クリスマスエールと言えば、やはりアンカーブルーイングの『アンカースペシャルエール』でしょう!

1975年から毎年違うレシピで造られるこのビール。『今年はどんな感じかな~』『う~ん今年はカモミールが入っているんじゃないかな〜?』『シナモンも入ってるよ』なんて、みんなで、当てっこしながら愉しまれています。このビールのもう一つの愉しみは、ラベルです。やはり毎年違ったデザインのクリスマスツリーが描かれ、クリスマス気分を一気に盛り上げてくれます。

ハローウィンにクリスマス!これからの季節が、ハーブ・スパイスエールの本番です!今年はどんなスパイスエールに出会えるか、愉しみですね。

by Kido Hirotaka

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