82 ALE HOUSE–Hansharo Collaboration

 

コラボレーション第2弾となる1月のブルワリーは、反射炉ビヤ。2014年にハブの社員旅行で訪問してゲストビールの販売を打診し、2015年から取引が始まった。それから毎年1月、合計5銘柄のオリジナルビールを開発・販売してきた。昨年まではセッションIPAだったが、今年の2銘柄はスタイルを変えた。

 まず一つ目は、名付けて「アジアンIPA」で、店頭では「反射炉&82 オリジナルセッションIPA」として提供されている。「アジアン」の由来は、ボディーをすっきりさせるために用いた、ブルワリーのある韮山で採れた米である。鼻を近づけると、ネルソンソーヴィンらしい、白ブドウを思わせるフルーティーな強い香り。口に含むと苦味は中程度よりやや弱め、甘味は弱めなので、セッションIPAらしさにあふれるバランスである。白ブドウの香りからと思われる酸味もある。後味も米のおかげですっきりしている。

 このビールに牛スジ煮込みを合わせると、フルーティーな香りで甘い煮汁がトマトソースのようになりつつ、ビールの苦味と煮汁の甘味が和らげ合って一体化する。苦味が肉の旨みを強めるのは言うまでもない。ビールの酸味はこの甘めの味付けと和らげ合いつつ引き締め役となり、この料理を何度でも口に運びたくなる。

 二つ目のビールは1月中旬に各店舗にて随時リリースされる。その名も「ESB (Extra Shizuoka Bitter)」。どんなビールが出来上がったのか、試してみるのが楽しみだ。

by Kumagai Jinya
(最初のコラボレーションについて:http://japanbeertimes.com/2017/12/alehousejp/

追加!
オリジナルESB

これぞESB(エクストラスペシャルビター)、と言いたくなる出来。ホップと麦芽の特徴が調和した、紅茶のような香りを感じる。甘味を中心としたボディーは5.9%のアルコール度数と相まってしっかりある。そして口当たりがまろやか。苦味は弱レベル。つまり穏やかな甘味をゆっくりと味わうビールだ。ちなみに、銘柄名のESBのSには、反射炉ビヤがある静岡の意味も含まれている。

このビールにレーズンバター(外側に生ハムが巻かれているのが特徴的だ)を合わせると、ESBにははっきりとしたバター香が求められるわけではないが、バター香とレーズンの香りが英国発祥のエールらしい、まろやかさとフルーティーさを増幅させてくれる。そして巻かれている生ハムの塩味はビールの穏やかな甘味を強める。どこを噛むかによって合わさり方が変わる、楽しい組み合わせだ。