Beer Roundup (Spring 2017)



クラフトビールを愛する世界中の都市と同じように、米国内の多くの都市でもビアウィークフェスティバルが開催されている。それらは主に「地元民」、すなわち地元のブルワリーやバー、そしてビールが大好きな人たちによる草の根運動に端を発している。典型的なビアウィークでは、一週間かそれ以上の一定の期間内に、限定ビール、ペアリング、講演会などユニークな(数百でないとしても)数十のイベントが行われ、地元の店がこれらのイベントを主催する。その結果、地元の店、ブルワリー、そして消費者が恩恵を受け、それを目的として運営側がビアウィークを開催する場合がほとんどだ。一部のビアウィークは、国際規模の巨大ブルワリー企業に反旗を翻す意味を込めて始まったところもある。

欧州では、クラフトビールをテーマとしたビアウィークに多くの先例がある。ドイツのオクトーバーフェストや他のヨーロッパのビアフェスティバルは、発足当初から地元との結びつきが強く、現在でも一般的には地元のブルワリーや組織によって運営されている。ここが、多くのオクトーバーフェストが大手企業によって催されている日本とは大きく異なる点だ。とはいっても、大手が運営する日本のオクトーバーフェストが悪いと言っている訳ではない。人々は楽しく飲んでいるし、中には多くの利益を得ている小規模の店もあるだろう。しかしながら、イベントの原点とスピリット(そして金の流れ)が違っているのだ。そして日本で人気を博しているベルギービールウィークエンドは、ベルギーのビール、食べ物や文化を主に楽しむのが目的に近いことから、ビアウィークとは分けて考えるべきだろう。

米国を参考にした日本の「ビアウィーク」が初めて開催されたのはわずか数年前のことである。当初からコンセプトは少し曖昧なままだ。ビアウィークの目的とは何だろうか? 誰が推進しているのか? イベント立ち上げの動機を我々はいくつか知っている。クラフトビールを支援し、広めたいという純粋な気持ちは確実にあった。そして、利益を得たいという欲求もあった。

バーやブルワリーも例外ではなく、基本的にはどのビジネスであっても利益を上げることが目的である。ビアウィークは利益を上げるために存在しているのだろうか? ある意味ではそうだろう。それと同時に、ビアウィークはクラフトビールとそれを支える小規模店舗に対する認識を高める目的もある。ファンには特別なイベントやスペシャルビールの販売で還元している。おおむねコミュニティーに根ざしているのだ。

ただし、大企業が絡むとなると、その構図は崩れてしまう。彼らの圧倒的な組織力・マーケティング力のおかげで参加する小規模店舗に恩恵がもたらされる。他方、(様々な意見はあるが)小規模店舗やブルワリーがクラフトビアシーンをつくってきたにもかかわらず、その犠牲の上で大企業が利を得ているとも言える。この状況がこれから先どうなるかはわからないが、我々は楽観視している。

日本国内の多くの都市でビアウィークのイベントが次々立ち上がる中、我々は地元の店舗やブルワリーに重きが置かれていることを願う。また、もし大手企業が参加しているならば、それは地元のグループからの要請からであって、公平なギブアンドテイクの関係であることを願う。我々はビアウィークを支持している。そして最も大切なこと、それはビアウィークのイベントでクラフトビールを出している地元の店があるならば、是非その店にも訪れて欲しい。ビアウィークのイベントがなくても店には行けるけれどね!

This article was published in Japan Beer Times #29 (Winter 2017) and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.