European Beer Star 2022


ヨーロピアンビアスター(以下EBS)は、欧州のスタイルのビールを審査する、世界最大でもっとも権威のあるビールコンペである。欧州のスタイルとは、英国、ベルギー、ドイツやチェコなど、古くからビール文化が根付いている国の伝統的なスタイルのビールを指す。しかし、この大会には世界中からエントリーが可能。深い伝統のある欧州のビール部門で、ビール文化が浅い国のブルワーは優勝できないなどと誰が言っただろうか? 実際、そのようなことは頻繁に起きている。日本のブルワリーもぜひ挑戦してほしい。過去には多くの日本のブルワリーが優秀な成績を収めている。

今年の部門数は72。そのすべてが伝統的なスタイルというわけではない。変わらず興味を持ってもらえるよう、また流行に柔軟に対応するため、EBSでは「セッションビール」「ニュースタイルIPA」「インターナショナルスタイルラガー」のほか、ノンアルコールのビール部門も設けている。「フリースタイルビール」なる部門さえ新たに追加された。日本ならではの原料を使用した独創的なビールや、日本酒とビールのハイブリットなど、日本のブルワーが得意とするカテゴリーのように思う。もちろん、国内にはアルト、ピルスナー、ヘフェヴァイツェン、ダークエールやブロンドエールなど、伝統的な欧州のビールを忠実につくりつづけているクラフトブルワリーもある。どの日本のブルワリーも、エントリーできる部門は少なくとも5つ以上あるのではないだろうか。

コンペ自体は明快な構成だ。部門ごとに金賞、銀賞、銅賞があり、賞に見合うビールがないと判断されれば、授与は見送られる。審査員はブラインドテイスティングで審査し、各部門の説明はEBSのウェブサイトに掲載されている。