Carvaan



䞖界各地から物珍しい品々を携えた「隊商」がずらりず列を成し、「極東の地」に目利きが遞りすぐった文化を運んでくる。2017幎7月、埌玉県飯胜垂にオヌプンしたBrewery&Restaurant Carvaanは、䞭東やアフリカ、南米など、䞖界各地から取り寄せた、ありずあらゆる味、銙り、色圩、そしお「ストヌリヌ」が堪胜できる、食ず文化のバザヌルレストランだ。そしおこの隊商を率いるのが、同ブルワリヌレストランの運営母䜓である株匏䌚瀟FAR EASTの代衚取締圹瀟長・䜐々朚敏行であり、それに続くのがブルワヌの䌊藀謙二ず朚村栄である。

Carvaanの魅力を䌝える前に、FAR EASTずいう䌚瀟に぀いお玹介したい。1994幎に同県川越垂に蚭立されたFAR EASTは、珟圚では貿易業を䞻䜓ずしおいるが、創業圓時はカヌナビゲヌションシステムを぀くる䌚瀟だった。しかし、2002幎の塩の販売自由化の際に、瀟長の䜐々朚が䞀念発起。岩塩、湖塩、倩日干しの塩など、それたで日本になかった塩を茞入販売するため、䞖界各地を蚪れるようになった。人間が生き続けるためにはどんな食べ物が必芁だず思うか、ず䜐々朚が我々に問いかけた。賢明な読者においおは、答えるにたやすい問いかもしれない。塩、脂分、そしお糖分だ。脂分はナッツやオリヌブ、糖分はデヌツな぀めやしやいちじくなどが挙げられるが、これらは叀く、聖曞やコヌランにたどるこずができる。そしお、これらの芁玠がすべお揃っおいる堎所は、オアシスである。塩を求め䞖界に飛び出た䜐々朚は、埗おしお䞖界各地の皮々の果実、ナッツ、銙蟛料、ハヌブに出䌚い、圓然の結果ずしお、塩のみならず、それらもたた茞入するようになった。

自身の数々の経隓を語る䜐々朚の口調は、堂々ずしおいお、ナヌモアに満ちおおり、たさに「立お板に氎」。身振り手振りを亀えながら、゚ゞプトのカむロを超えたずころにあるパピルスのゞャングルに、コヌヒヌ豆ずパパむダずバナナずパむナップルの果実がいかにたわわに実っおいるかに぀いお語り始めたかず思うず、次の瞬間には、倩山山脈の麓、70℃の熱颚が吹きすさぶ砂挠に生る、緑色に茝くブドりに぀いお熱匁を振るう。その興奮冷めやらぬうちに、リビアの囜境に䜍眮し、アレクサンダヌ倧王が「死ぬならここで死にたい」ず蚀った青々ず草朚が茂るオアシスに自生するデヌツがいかに玠晎らしいかに぀いお滔々ず語り始める。その様はたさに『アラビアンナむト千䞀倜物語』の語り郚のようで、聞く者は思わず、圌の玡ぐ䞖界にグッず匕き蟌たれおしたう。
 
このように、FAR EASTは商品の背景にある「文化、ストヌリヌ」を倧切にしおいる。事実、FAR EASTの五぀ある䌁業理念のうち、筆頭に挙げられ、か぀䜐々朚が繰り返し匷調しおいたのが「文化的であるこず」、すなわちストヌリヌがあるこずだ。品質の良し悪しずいう芳点から芋れば、この日本においお単に質の良いものは溢れかえっおいる。質が良いこずは倧前提ずしお、その商品に魅力的なストヌリヌがあれば、顧客は魅せられ賌入し、その商品に぀いお自ずから語り始めお、顧客が顧客を繋いでくれるずいうわけだ。「ストヌリヌを売る」――これがFAR EASTの定めである、ずさえ䜐々朚は断蚀する。次に「ナチュラル、オヌガニック、安党、公平であるこず」。これらは同瀟にずっおごく圓然のこずであり、声高に䞻匵はしないが最䜎限守るべきラむンであるずいう。そしお「持続可胜であるこず」。䞀気に、根こそぎ資源を摘み取るのではなく、「现く、氞く、発展的に」をモットヌにしおいる。最埌に「䟡倀を保぀こず」ず「満たされるこず」。いわゆる発展途䞊囜の商品を茞入販売するこずが倚いが、それらの囜の商品を安く売る、ずいうこずは決しおしない。「日本にはない。それだけで日本においお䟡倀は十分にあるわけですから、䟡倀あるものを䟡倀あるものずしお販売し、先進囜ず同じくらいの利ざやを返したす」。こうするこずで、FAR EAST、取匕先の䌁業、顧客など、その商品に関わるすべおの人が満たされるずいうわけだ。

FAR EASTは、䞻軞の茞入業のほかに、これらすべおの䌁業理念を䜓珟する事業も展開しおいる。そのきっかけずなったのが「Jali Organic Project」だ。りガンダのビクトリア湖に浮かぶブッシ島にゞャリ村ずいう小さな村がある。人口300人ほどの非垞に貧しい村だ。驚くべきこずに、この村の䞀䞖垯あたりの人数は15人以䞊に䞊るこずもある。AIDS犍の拡倧や、マラリダ蚊や䞍衛生な井戞氎が原因で呜を萜ずすこずが倚く、その結果、䞡芪を倱った子どもがほかの家族に匕き取られるこずが珍しくないずいう。しかし、この貧困にあえぐ小さな村は、パむナップル、マンゎヌ、バナナ、コヌヒヌなどの䜜物がほが自生の状態でたわわに実る、緑豊かな矎しい村でもある。

りガンダ囜内でも無名の、この小さな村を救うべく立ち䞊がった人物がいる。「Jali Organic Project」の立圹者ずなるモヌれス・キブりカ・ムワンガだ。1965幎にりガンダで生たれた圌は、母ずパリぞ亡呜埌、英囜に枡り映像䜜家ずしお劻子ずずもに暮らしおいた。1995幎、父の遺蚀によりこの地に640゚ヌカヌの土地を譲り受けた圌は、初めおこの村を蚪れ、筆舌に尜くしがたい貧困ず、それに負けない豊かな資源に衝撃を受けた。パむナップルに限っお蚀っおも、収穫期には3000トンの収量を誇るほどであった。しかし生のパむナップルは1週間ほどで駄目になっおしたう。300人で3000トン、しかも1週間で食べきっおしたうこずなど到底䞍可胜だ。そのためほずんどの量を腐らせおしたっおいた。

モヌれスは、この堎圓たり的な自絊自足蟲業を改め、豊富な蟲業資源を蚈画的・有効に掻甚するこずで、ゞャリ村が苊しむ慢性的な貧困を解消できるず確信した。そこで、生の果実をドラむフルヌツに加工し、海倖垂堎で販売しようず考えたのである。圓時ドむツに䜏んでいた兄の゚フレむムも誘い、モヌれスは前述のプロゞェクトを立ち䞊げた。しかし、生たれ育ったりガンダを離れ、「金持ちの囜倖亡呜者」であった圌を、なかなか䜏民は信甚しなかった。それでも3幎埌、埐々に村人達の理解ず信甚を埗だした圌は、パ゜コンに映る映像ず曞籍を片手に、ドラむフルヌツづくりを孊びながら、プロゞェクトを前進させた。手始めに井戞を掘り、枅朔な氎を確保した。それから工堎を぀くり、ドラむフルヌツを぀くるための也燥機を運んで、来る日も来る日も手䜜業者の蚓緎を続けた。なんずかドラむパむナップルが圢になり、いよいよ海倖垂堎での販売が芖野に入り始めた。しかし、映像䜜家を䞻業ずするモヌれスに、海倖のマヌケットで販売するスキルや経隓、チャネルはない。そこで出䌚ったのがFAR EASTの䜐々朚だった。

日本貿易振興機構Japan External Trade Organization、JETROの蟲䜜物に関する審査䌚で審査員を務めた経隓のある䜐々朚は、ゞャリ村のパむナップルに぀いお聞き及んでいた。瞁あっおドむツ・ニュルンベルグで゚フレむムず偶然出䌚っおいた䜐々朚が圌の地に足を螏み入れたずきには、プロゞェクト開始からすでに15幎が経っおいた。圌らず話を぀け、ドラむフルヌツの販売サンプルを日本に送っおもらうず、日本の垂堎、ひいおは囜際垂堎に通甚する代物では到底ないこずがわかった。しかし、FAR EASTは諊めない。「異なる宗教、文化、蚀語の人たちず同時進行でビゞネスを展開しおいたら、䞖界同時倚発的にトラブルが発生したす。圌らにずっおは問題でない、『ノヌプロブレム』を連発するずころが、我々にずっおは倧問題ずなる。それを憂いお嘆いたずころで䜕も進たない。ただ溝を埋めおいくだけ」ず、䜐々朚は豪快に笑い飛ばす。圌は珟地にスタッフを送り、数字の数え方から教えた。そしお、品質管理、衛生管理、保存・包装技術ずいった補造業の根幹を成す郚分から、貿易事務ずいった貿易の実務に至るたで、すべお䞀から同瀟が手ほどきをした。



そしお2012幎、モヌれス率いるゞャリ村のプロゞェクトメンバヌを日本に招聘し、消費財関連業界で囜内最倧芏暡の展瀺䌚である「東京むンタヌナショナル・ギフトショヌ」に出展させた。来堎者の反応は予想以䞊に玠晎らしく、泚文が盞次いだ。「圌らのパむナップルを也かしたら、どれほどの日本人が喜ぶか、そしおどれほどのお金が動くか、ずいうこずを実際に芋せたした」。日本でさらなる技術ず知識、そしおビゞネスの䜜法を習埗した圌らの手掛けるドラむフルヌツは、たすたす高い囜際評䟡を受けるようになっおいった。モヌれスが立ち䞊げ、FAR EASTがサポヌトし、ゞャリ村の村人たちが䞀歩ず぀前に進めたこのプロゞェクトは、その高い評䟡がりガンダ倧統領の耳にも入った。日本ぞの茞出品に気をよくした倧統領の䞀声で、プロゞェクトに最沢な資金がおり、圌らは道路を぀くり、孊校や病院を建蚭するこずができた。

たた、「Jali Organic Project」に倚倧な支揎を寄せたFAR EASTには䞖界各地から声がかかり、同プロゞェクトをモデルずしお、珟圚、カメルヌン、タンザニア、パキスタンずいった囜でも同様のプロゞェクトが行われるようになった。しかし、これらの新芏プロゞェクトの監督者は䜐々朚ではない。「Jali Organic Project」のプロゞェクトチヌムである。その理由を圌はこう説明する。「僕らが出おったんじゃあ日本人がやっおるビゞネスになっおしたうので、圌らにスヌパヌバむザヌずしお行っおもらうんです。そうやっお自立型のビゞネスにしおいくのです」。䜐々朚は続ける。「商売は本来勝ち負けじゃない。関係者皆が満たされお、幞せになるのが商売だず思うんです」。瀟䌚貢献掻動ずいう偎面も持ちながら、同時に関係者党員がwin-winなビゞネスずしお成立しおいる事業は、日本では特に珍しいずいえるだろう。

先述の「Jali Organic Project」が瀟䌚貢献掻動であったように、Carvaanもたた、創業圓時から、自瀟が瀟䌚的存圚である必芁を感じおいた、ず䜐々朚は蚀う。ブルワリヌレストランは、飯胜河原枓谷ずいう飯胜垂でも指折りの景勝地の厖っぷちに建぀。ここは、曲がりくねった入間川に沿うように、春には満開の桜、秋には玅葉を、そしお倏堎には河原でキャンプやバヌベキュヌを楜しむこずができる自然豊かな堎所である。しかし、か぀おそこには廃墟化したビルが建っおいた。皆が集たっお、倢や垌望を語れる堎所を぀くろうず再建の話は䞊がったものの、公園もマンションも図曞通も䜏民の反察を受けおいた。そんな䞭、1997幎に川越から飯胜に拠点を移しおいた䜐々朚に癜矜の矢が立ったのである。こうしおここにCarvaanが建おられたずいうわけだ。日本から遠く離れたアフリカや南米だけでなく、地元飯胜においおも、FAR EASTは名実ずもに瀟䌚的に貢献できる存圚ずなるこずが運呜づけられた。



では、いったいなぜ圌らはブルワリヌを始めるこずにしたのか。ビヌルの起源は諞説あるが、発祥は玀元前8000〜4000幎にさかのがるこずができる。䞀説には、メ゜ポタミア文明時のシュメヌル人が麊を也燥させお粉にしたものをパンにし、そのパンに雚などの氎分が偶然圓たっお自然発酵した結果、ビヌルができた、ずいうものである。それ以来、今日に至るたで、ビヌルは䞖界各地で広く、長きにわたっお飲たれおおり、ビヌルの囜際的な文化ずその興味深い歎史は、たさにFAR EASTの五぀の䌁業理念を䜓珟する手段ずしお完ぺきだったのだ。

FAR EASTが手掛けるブルワリヌ、Carvaanのビヌルには確固たるコンセプトが二぀ある。䞀぀は、囜、時代を問わず、今日たで広く飲たれるようになったビヌルずいう飲み物の叀い歎史ず倚様な文化を玐解き、叀代のレシピを再珟しながら、珟代流のアレンゞを加えお、矎味しいビヌルを぀くろう、ずいうものである。母䜓が貿易䌚瀟である圌らの匷みを掻かし、䞖界各囜の気になるホップやモルト、原料などがあれば、すぐに珟地ず亀枉し、茞入するこずができる。

もう䞀぀は、貿易䌚瀟ずしお䞖界を股にかける同瀟が、日本叀来の補法に基づいた蟲業も䜓珟しよう、ずいうこずだ。飯胜垂の南高麗地区にある築130幎を超える蟲家䜏宅いわゆる叀民家を借りお、そこを蟲業の拠点ずしおいる。ここでは珟圚、ポヌトランドから茞入した11皮のホップや和玙の材料ずなるコりゟを、無蟲薬・無肥料で育おおいる。今埌は補麊モルティングも芖野に入れおいるずいう。

Carvaanが぀くるビヌルは、先述の五぀のコンセプト、すなわち「文化的であるこず」「ナチュラル・オヌガニック・安党・公平であるこず」「持続可胜であるこず」「䟡倀を保぀こず」「満たされるこず」を圓然すべお満たしおいる。䞖界各地の文化や歎史が感じられながらも、自由な発想ず遊び心が組み蟌たれた、矎味しいビヌル――。圌らはそれを「アラビアン・クラフトビヌル」ず呌ぶ。そしおそれを぀くり出すのが、ブルワヌの䌊藀ず朚村だ。



䌊藀は倉わった経歎の持ち䞻で、Carvaanに入る前はビヌル業界の人間ではなかった。広告業界で長幎アヌトディレクタヌずしお勀務しおいた䌊藀は、勀続30幎を過ぎたころ、広告業界での仕事が䞀段萜぀いた、ず感じた。もずもずビヌルを飲むのが奜きで、「ものづくり」が奜きだったこずもあり、数幎前からビヌルづくりに興味が出おきおいた。独孊で醞造を勉匷するうち、瞁あっお2016幎6月にFAR EASTに入瀟。その盎埌に山梚県のアりトサむダヌブルヌむング本誌第25号参照に赎いお、そこで2カ月研修を積んだ。たた、前職の経隓を掻かし、自瀟の印刷物やロゎのデザむンなど、ほずんどのアヌトディレクションも手掛けおいる。

䞀方の朚村は、今幎でブルワヌ歎14幎目を迎えるベテランだ。創業1863幎、東京・犏生にある石川酒造で、ブルワヌずしお「TOKYO BLUES」を開発。劻も埌玉のコ゚ドビヌルで働くブルワヌで、飯胜でのCarvaanの立ち䞊げを噂に聞き、2017幎4月に入瀟した。「繊现なビヌルづくりが埗意。キャリアもあり、匕き出しが倚い」ず、䌊藀は朚村をこう分析する。圌らの醞造䜓制は面癜い。䞀぀のビヌルを協同で仕蟌むこずはせず、自分で曞いたレシピを各々぀くるずいう完党分業制だ。「仲が悪いずいうわけではないんですけどね」ず、䜐々朚は笑う。そのため、圌らが぀くるビヌルには、それぞれの個性が感じられる。

Carvaanのレギュラヌビヌルは4皮。アラビアンラむム・゚ヌルは、゚ゞプト産のラむムピヌルを䜿甚した゚ヌルで、麊芜の深い味わいが感じられ぀぀も、埌味は爜やか。Carvaanが正匏にオヌプンする前、2016幎9月に飯胜河原で行ったむベントでは、このビヌルを提䟛した。むベントは地元の人で倧盛況で、クラフトビヌルの認知床が䜎い飯胜垂民の間でも矎味しいず評刀は䞊々だった。回を重ねるごずにリピヌタヌが増え、同垂に「地ビヌル」ができたこずに喜ぶ声も倚く寄せられるようになった。「それが嬉しくお、忘れられない」ず、䜐々朚は埮笑む。このずきの経隓は確かに圌らのビヌルづくりの原点、原動力ずなっおいる。

スペルト・ノァむツェンは、叀代小麊であるスペルト小麊を䜿ったノァむツェンだ。この小麊は、䞀般の小麊に比べおグルテン含有量が䜎く、銙ばしく、味わい深い。殻が硬いのが難点だが、それゆえ虫害に匷く、オヌガニックで育おやすいのが特長だ。FAR EASTでは自瀟で補造する焌き菓子にもこの小麊を䜿っおいる。レシピを開発したのは朚村だ。「ノァむツェンならではの゚ステル銙をずにかく出したかった。ノァむツェン銙が匷いず濃厚でトロッずしお、ボディヌが匷くなるが、このビヌルは飲みやすく、ごくごく飲めるものにしたかった」

そしおファヌむヌスト・ベルゞャンホワむト。これも朚村が手掛けたビヌルだ。゚ゞプト産コリアンダヌを䜿甚しおいる。肥沃なナむル川のほずりで育ったコリアンダヌは、䞀般的に垂堎で出回っおいるものよりも味、銙りずもにパンチが匷いため、䜿甚量に泚意しおいるずいう。このビヌルの特筆すべき点は、通垞オレンゞピヌルを䜿うずころ、日本各地の柑橘類の皮を䜿っおいるこずだ。前回は広島県産の無蟲薬レモンのピヌルを䜿った。しかも、わた぀きのものずわたなしのものを2皮類、自瀟で補造し、調合しおいる。わた぀きのものはほろ苊い味わい、わたなしのものは爜やかな銙りが特長で、どちらか片方だけでは味、銙りずもにバランスが欠けおしたうずいう。わたなしのピヌルは、レモン60キログラムからせいぜい200グラム皋床しか採れない貎重なもの。FAR EASTではゞェラヌトや焌き菓子の補造も行っおいるため、こうした莅沢な䜿い方ができるずいうわけだ。次回の仕蟌みでは地元・飯胜産の柚子を䜿甚する予定だが、レモンず柚子では味わいや銙りの出方に違いが出るため、珟行のレシピに埮調敎を加える予定だ。

定番銘柄の四぀目、アンデスカカオ・スタりトは、「黒ビヌル系が奜き、埗意」ずいう䌊藀が開発した。カカオはもずもずコロンビアやベネズ゚ラなど南米が発祥で、このビヌルに䜿甚しおいるカカオニブもコロンビア産である。ロヌスト麊芜の銙ばしい銙りずカカオ由来の甘い銙りが耇雑で、䞊品な味わいずなっおいる。

レギュラヌビヌルのほかにも、季節限定のビヌルをこれたでに4皮ほど仕蟌んだ。倏限定のパッション・ラガヌぱクアドル産のパッションフルヌツを䜿甚した。飯胜フレッシュホップIPAは、文字通り飯胜産のホップを䜿ったIPA。収穫量が少なかったため、1バッチで終わっおしたった「幻のビヌル」である。カヌルノァヌン・クリスマス゚ヌルは冬季限定で、3皮類のモルトず2皮類の酵母を䜿ったベルゞャンストロング゚ヌル。そしおアップルゞンゞャヌ・゚ヌル。リンゎ、ショりガ、シナモンを煮詰めたゞャムを、発酵前に加えおいる。ブルワリヌレストランでは、レギュラヌ4皮ずシヌズナルビヌルから1〜2皮、楜しむこずができる。

そしおこれらのビヌルを、発酵タンク4本ず貯酒タンク3本いずれも玄500リットルで仕蟌んでいる。ちなみに蚭備は2016幎の4月に瀟長の䜐々朚が䞭囜に行っお買い付けた。電子䜜動ではなく手動で、マニュアルオヌトメヌションのブルワリヌである。「目で芋お手で確認できるので、いい仕蟌みができるず思う」ず朚村は語る。たた、今幎6月からはボトル販売を開始し、暜ずずもに倖販予定だ。郜心ぞの出店蚈画もある。

Carvaanの最寄り駅は西歊池袋線飯胜駅で、枋谷駅からは副郜心線盎通で1時間ほど。駅からは埒歩1520分皋床で、先述の飯胜河原を望みながらの散歩道ずなる。同レストランでは、自瀟蟲園や地元で生産された蟲産物ず、䞖界各地から茞入した銙蟛料や食材を䜿った、䞖界の食文化を䜓珟した料理を楜しむこずができる。ドラむフルヌツやナッツもさるこずながら、フムス、ファラフェル、オリヌブのマリネなど、䞭東ならではの料理も楜しめる。Carvaanのビヌルずはもちろん奜盞性。たた、FAR EASTのワむンもぜひ詊されたい。珟圚は盎茞入のものが提䟛されおおり、今埌は自瀟蟲園で栜培するブドりを䜿ったワむンの醞造も芖野に入れおいる。

Carvaanで提䟛される食事、ドリンク、デザヌトには、無論、それぞれ䞀぀ひず぀にストヌリヌがある。極東のこの地で、スタッフが熱を蟌めお語っおくれる『千䞀倜物語』に耳を傟けながら、「アラビアン・クラフトビヌル」片手に、日本から遠く離れた異囜の文化を远䜓隓するのはいかがだろうか。――本皿を読み終えた今、あなたが次の「ストヌリヌテラヌ」ずなる。

by Chiaki Akasofu


This article was published in Japan Beer Times # () and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.