5月に、山岡酒店と京都の4カ所のクラフトビア醸造所によって、三条のショッピングアーケードで再び「地ビール祭 京都」が開催された。今年はアーケードの商店からも多数の出店があったし、クラフトビアに馴染みのない人たちにも多く集まってもらえたのは喜ばしいことだ。このフェスティバルのように日常の中で行われるイベントは、より刺激的になる。道行く人が自由に参加できるのも良い。醸造所の皆さん、漁のための網の準備は万全ですか?
その一週間後、日本で最も急成長したイベントのひとつ「けやきひろば春のビール祭り」が開催された。初日は土砂降りの雨に見舞われ、翌日以降のイベントが成功するよう舵取りが必要となった。秋は、心地良い屋外のけやき広場ではなく、屋内のさいたまスーパーアリーナで開催される。そうなると名前も変えるべき?アリーナ = 競技場、土俵…、クラフトビア・アリーナ。きっとナイスなクラフトビアの闘いの場を提供してくれることだろう。
5月の終わりには、「CRAFT BEER LIVE」が大阪で、また、学生たちによる「つくばクラフトビアフェスト2013」が開催された!クラフトビアの未来を担う重要な購買層にもっと頑張ってもらって、同様のフェスティバルが日本各地で開催されることを祈る。いくつかの大学にはクラフトビアをテーマに活動するクラブさえ存在している。大学は、クラフトビア必修科目コースを設置する必要があるだろう。
東京で最大規模を誇るクラフトビアのイベント「ビアフェス東京」は、今年も期待通りに素晴らしかった。参加者は、例年のテイスティング・ビアカップの代わりに新しく登場した、チューリップ型の「ベストアロマグラス」に驚いたことだろう。香りをより楽しめるようになっただけではなく、規定よりも多くの量を入れちゃうスタッフさん(おっと!)に、ハッピーな気分になった参加者も多くいたようだ。来年は、インペリアル パイントグラスでさらに際立つ香りを楽しみ、ちょっと多めに注いでもらいたいものだ。(おっと!)
大自然・キャンプ・音楽・フード。「地BeerFest大山」のこと?正解。それにクラフトビアも付け加えなくちゃね。アウトドアでキャンプし、音楽を楽しむイベントは日本全国に広がりを見せているが、クラフトビアを飲めるのは、ここだけ。もったいない。イベント主催者の皆さん!お客さんを喜ばせる良い音楽があるなら、美味しいビールも提供してみませんか?クラフトビアを提供せよ。さらば、我ら集わん。
「栃木クラフトビアフェスタ」は6月下旬に開催された。我らが熊谷陣屋が未知の地…へ飛び込んだ。宇都宮のクラフトビアに対する生の声、その盛況ぶりを確かめに行った。
新潟には沢山の優れたクラフトビア醸造所がある。ついに地元の人たちの渇きを潤すフェスティバルが登場した。「新潟クラフトビールの陣」は、6月末に開催された。今後、メジャーなビアフェスティバルに成長していくだろう兆しを見せた。県内には秀逸な酒造会社も多い。彼らを仲間に迎え入れるのは、どこか後ろめたい?もちろんそんなことはない。クラフトビアと地酒は、結局のところ遠い親類のようなものだから。
私たちのお気に入りの夏のフェスティバルのひとつ「タナバタ☆ビアフェスタ☆トヤマ」は、さらに規模を大きくした。金曜日の夜に前夜祭を開催した。全国のビアフェスティバルと比べてみても、開催期間が長いようだ。最終的には、一年中毎日どこかでビアフェスティバルが開催されるようになるかもしれない。そうしたら、一年にもっと日にちが必要になって、暦を新たに考案しなくちゃいけなくなるかもね。
7月の続く週末には「ビアフェス大阪 2013」。そう、ここでも「ベストアロマグラス」へと、規定よりも多くの量のビールが注がれ…(おっと!)。ここ数年、JCBA主催イベントの料金はジワジワと上昇し続けているが、全く気にかけない人もいるだろう。実際、国際的な銘柄が揃い、多様なビールが増加しているので、私たちは気にしていない。世界中のクラフトビアを目当てに京セラドームに数千人が押し寄せていることからも分かるだろう。
今号の印刷前までのビアフェスティバルは、以上。クラフトビアについての他の出来事は?私たちがお伝えし続けている通り、大手メディアはトレンドから話題を取り上げる。雑誌は流行から遅れを取りたくないものだ。人気の高い女性誌Hanakoなどでも、きちんとした情報が特集されている。関西エリアで発行されているMeetsで、私たちのつくっている人気のTシャツが表紙を飾った。タイム誌の「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたら、その人には私たちのTシャツを着て欲しいと思う…。何か前向きなコピーを、と寄せられた多くのリクエストに応えるため、私たちは新柄のTシャツをつくった。「Craft Beer is My Lifeblood: I take frequent transfusions」(クラフトビアは、血液のように俺にとって不可欠なものだ!だから途切れること無く、点滴してるのさ!=クラフトビアを飲み続けてるのさ!)というものだ。「美味しくないビールは世の中の敵です。」というコピーは、どこがポジティブでないと思われたのだろうか?
出版物のニュースとしては、読者の皆様が関心を寄せると思われる、近頃出版された2冊の本を紹介したい。まず「藤原ヒロユキのイラストで巡る 世界のビール博物館」(日本語)が、これまで彼が出版してきた数々の本の中に加えられた。もう1冊は、「極上のクラフトビールが飲める120店」、エンターブレイン社から。センセーショナルな必携ガイド。Dr. マーク・メリさんによる、日本のクラフトビア醸造所を網羅した、歴史的にも重要になるであろう本。歴史や文化について書かれたエッセイ、ビアフェスティバルのガイドと日本の最高なバーを数店載せている。長年の調査が結実したのだ。(on sale soon!)
そして最後に、世界のクラフトビアに関するニュース。コエドビールとBallast Pointによるコラボレーション・ビール、「East to West IPA」が海岸に到着した。太平洋を超えた素晴らしい愛、でしょ?Devil’s Canyonは「よろしくIPA」をリリースし、日本でのデビューを飾った。この銘柄は本国アメリカでも販売されるので、日本のクラフトビア・シーンに人々の目を向けさせることができることを願う。年末に向けて、数千人のアメリカ人が日本を訪れ、唯一話される日本語、それが「よろしく」。もしも、そのビールの名前が「ミルク、チョウダイ」だったら、もっと笑えたよね。
OK、そろそろ終わりにしよう。「ビール、チョウダイ」
This article was published in Japan Beer Times # () and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.