Beer Roundup

日本のクラフトビア・シーンは2012年の年末も勢いを失っていなかった。皆が忘年会に明け暮れる中、お付き合いの飲み会で味気ないビールを飲まされるのではなく、美味しいクラフトビアを楽しもうという大きなイベントが少なくとも2回は開催されたからである。

ナガノ・トレーディングは2回目となるKiller Bs II Partyを横浜カントリー&アスレチッククラブで開催、飲み食べ放題、ボーリング、ビア・ポンなどで盛り上がった。同社代表、アンドリュー・バルマス氏がサンディエゴのバラスト・ポイント・ブルーイングと埼玉のCOEDOビールの間を取り持って生まれたコラボレーション・ビールも今回のパーティで紹介された。2013年にはこのような日本のブルワリーと海外のブルワリーによるコラボレーション・ビールが他にも登場してきそうである。これはとても楽しみな動きだ。



COEDOビールに関連するニュースはまだある。ANAクラウンプラザホテル福岡の総料理長 ジェフ・ハーストと彼のチームは、COEDOビールの4銘柄と相性の良い中華をベースとしたフュージョン料理を味わえるコースを提供した。私たちは昨年、そのコースをいただいたが、それは見事なものだった。このようなプランを他のホテルでも楽しめることを望んでいる。

また、ウィスク・イーの主催により12月に渋谷で「ホップ・レボリューション」が盛大に開催された。クラブを会場とした大規模なクラフトビア・フェスとしては初となったこのイベントではプロの人気DJ が音楽と映像で雰囲気を盛り上げ、参加者はみな大満足だった。参加したクラフトビア・ファンを特に喜ばせたのは、ウィスク・イーが輸入ビールの製造元のブルワーを多数招聘し、時間割でセミナーを開催したこと。クラフトビア・ファンの多くはビールを飲むことだけではなく、クラフトビアに関する色々な情報を欲しているようで、今回のような形で輸入業者やブルワーが協力し、クラフトビアについての教育や情報提供を続けていくことはとても有意義なことだ。

一方、2012年の悲しいニュースとして、箕面ビールの社長、大下正司氏の訃報があった。ブライアン・ベアードが言うとおり、これは日本のクラフトビアの偉大なパイオニアの初の損失となった。12月に行われた葬儀には全国から多数のブルワー、バーやレストランのオーナー、業界関係者らが参列して故人を偲ぶとともに、改めて氏の功績を称えた。本誌ウェブサイトには大下氏に対する追悼の言葉を掲載させて頂いた。



大下氏がいなくなったら箕面ビールは終わり?いや、全くそんなことはない。氏の長女であり工場長でもある大下香緒里氏が父親の遺志を継ぎ、同社に新たな息吹を吹きこんでくれるだろう。すでに全国のバー・オーナーら有志が連絡を取り合い、故人を偲ぶ会を各地で開催するなど、同社を応援する動きが始まっている。また、箕面ビールを含めた11のブルワリーが参加して「マサジビールプロジェクト」が始動。これは日本のクラフトビア界を牽引するブルワーたちが故人を偲ぶという共通のテーマの下、それぞれが個性あふれるオリジナルビールを製造、競演するというもの。(Masaji Beer Project)

娘の逞しい関西商魂を正司氏も微笑ましく思いながらどこかで見守っていることだろう。このプロジェクトによるビールは3月初旬にお目見えする予定なのでお楽しみに。

ジャパン・ビア・タイムズは創刊3周年を記念してこの1月にYokohama Winter Beer Bash2013を開催、全国から本誌のスポンサーでもあるたくさんのブルワリーや輸入業者らが参加してイベントを盛り上げて頂いた。およそ800人が集まり、5時間にわたってライブ、おいしいクラフトビア、バーベキューなどを楽しんだ。皆さんとても楽しんで頂けたようで、またやってくれという声も多かった。真冬のビア・フェスを毎年恒例化?これは楽しそうだ。

ビールのラベル・アートコンテストを本誌が主催したことを、JBT秋号を読んでくださった方は覚えていらっしゃるだろう。次頁より優秀作品を掲載したので、どうぞご覧ください。

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