開催直前だったので前号では紹介できなかったが、ビアフェス大阪が3日間にわたり大阪市内で開催され、クラフトビア活動の母体に急成長している。ここ何ヶ月かにクラフトビアバーが数店オープンし、新しい店ができるという噂も絶えず耳にする。7月のフェスティバルの盛況を目の当たりにすると、さらに数店の需要があるのだろう。数十店かもしれない。
次に訪れたのはビアフェス名古屋。かつてはクラフトビアのゴーストタウンと思われていた日本で3番目に大きなこの都市にも、フェスティバル開催の要求が高まり、クラフトビアを提供する店も増えてきている。このトレンドが長く続くことを願っている。(金しゃちさん!私たちはあなたたちが直営バーを開くことを心待ちにしていますよ。)
8月には鳥取県の数社によって、素晴らしい眺めが広がる会場で第2回の地beerFest大山が開催された。夏フェスに求められる、良い音楽に美味しいビール、心地よい気候がここにはある。他に何が必要というのだろう?立派な大義名分?一関では、3-11の津波の被災地にほど近い場所で地ビールフェスティバル in 一関が開催された。クラフトビアをサポートし、疲弊した経済を立ち直らせようと日本全国から集まってくれた人たちに、岩手の人々は感謝した。少なくとも海岸沿いにあるクラフトビアバーの復興に役立ったことだろう。あなたも訪れてみては?
一方JCBA(日本地ビール協会)は、国際ビール大賞の審査会に続き、国際クラフトビール会議2012を東京で開催した。海外からの名誉ある審査委員の一人としてチャーリー・パパジアン氏が参加、クラフトビアの前途有望な未来についての基調講演を行った。まだ始まったばかりだが、前途は洋々に思われる。この勢いが続くことを期待する。
素晴らしいGolden Garden(そしてRaku Beerさん)のご夫妻は、広島や周辺地域では唯一と言っていいメジャーなビアフェスを、今年も9月に開催した。続く週末には秋田で、地元醸造所・あくらビールの強力なサポートによるビアフェスが行われた。小さな街の小さな2社が、大規模なフェスティバルを成功させた—この事実には他の市町村も多いに注目したことだろう。歯車が回り始めている。
9月中旬には国内最大規模を誇るビアフェスが2つあった。ビアフェス横浜と、けやきひろば秋のビール祭りさいたま新都心だ。多くの醸造所が両方の会場にスタッフを配置した。私たちも同じく。そしてサンディエゴから来日したバラストポイントのメンバーたちも、両会場を訪れた。彼らはイベント開催に先立ち、特別なコラボ・ビアを造るためにコエドビールを訪問。これが同社初のIPAとなった!また、ビアフェス横浜には台湾の醸造所からもゲストが訪れている。日本のクラフトビアフェスティバルもさらに国際化が進むだろうか?
答えはYes!その翌週、大阪ではクラフトビアベースの谷知さんとAjen Birminghamさんが、World Craft Beer Tastingを初開催した。ヨーロッパ & アメリカのクラフトビアの名だたる輸入業者と国内の素晴らしい醸造所数社が参加し、ゲストは千人を超えた。初めてのフェスティバルとしては、なかなかすごい。最高の音楽、美味しいフード、適正な価格が成功の秘訣だ。同じ週末に、電車で数駅しか離れていない場所で茨木爆音フェストが開催されている。内容は似ているが、こちらの方がより地域と結びついたフェスティバルだった。クラフトビアに馴染みのない層に浸透させるには良いやりかただろう。地元のフェスティバルがクラフトビア醸造所にどんどん出店してもらう、これこそウィンウィン・シチュエーションだ。
横浜にはもっとビアフェスが必要だった?はい、必要でした。赤レンガ倉庫のオクトーバーフェスト会場と目と鼻の先であるにもかかわらず、一関地ビールフェスティバル in 横浜に数百人が集まった。残念ながら今年が最後の開催になるかもしれない。誰かが(某有名メーカーの)フローズンビールのサーバーをハイジャックして、ベルギービールのランビックを入れていた。美味しい…もっと飲みたかった!
九州ビアフェスタ 2012 in 博多の開催時期が、今年は10月初旬に戻った。昨年の夏、会場の博多リバレインのアトリウムガーデンはまさに温室と化していたから、これはありがたい。ついにクラフトビアの楽しみが福岡に定着したことを感じる。クラフトビアバーが新規開店したり、既存のバーがクラフトビアを提供する店に変わったことがその証だ。ANAクラウンプラザホテル福岡のレストランでは、クラフトビアと料理のペアリングディナーをメニューに載せたのでいつでも楽しめるようになったと聞く。その調子だ、福岡!
京都の醸造所4社と山岡酒店は、地下街のゼスト御池で、2回目のクラフトビアフェスティバルを催した。春のイベントでは多くの人でもみくちゃになったが、今回は準備万端だったし、箕面ビールや新しい醸造所・ジグザグブルワリーも参加して楽しいものとなった。来年はさらに多くの醸造所に参加してもらいたい。そして、芸者さんにも。たくさんの芸者さんが来るといいな。
最後に取っておきの良いニュースを。横浜市の職員たちが、ビールを通して観光を推進するという素晴らしいアイディアをひらめいた。なぜビールなのか?横浜はキリンビール発祥の地で、現在もクラフトビア醸造所が3カ所あり、街には沢山のクラフトビアバーがあるからだ。横浜の姉妹都市はサンディエゴで、偉大なビア・シティであるその街のビールは、地元のナガノトレーディング社が輸入している。加えて、ビールのフェスティバルも数多く開催されている。
コンペティションでのプレゼンを経て、私たちがYokohama Beer Magazineを制作する権利を得た(拍手!)。横浜の豊かなビアシーンや歴史を紹介するバイリンガルマガジンだ。横浜のビール関連の魅力だけでなく、音楽・食事処・文化施設といったエンターテイメント情報にも触れている。10,000冊がサンディエゴに向けて発送されており、海外のビール好きを横浜へと誘うだろう。もしあなたが日本でバーやレストランを経営しているなら、ぜひ連絡を。あなたのお店で、この雑誌を配布できるように小包(無料)を発送します。個人の方は本誌のウェブサイトからお申込みください。 www.japanbeertimes.com/issues
私たちは来年に向け、クラフトビアに力を注ぐ他の都市でも同様のバイリンガル雑誌を発行できるように、行政機関と話し合いを進めている。街のプロモーションのために税金をこんなふうに使えるなら、素敵だと思わない?
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