日本では、女性が男性にチョコレートをプレゼントするというのが習慣となっていますが、欧米では少し違っている様で、〝女性が男性へ〟と言う一方的なものではなく、お互いが恋人や大切な人に花やケーキなど様々な贈り物をして愛を誓うという習慣がある様です。
日本のビール業界では、日本の習慣に習って幾つかのブルワリーがこの時期に〝チョコレート〟と名の付くビールを発売します。ですが、この〝チョコレートビール〟本当にチョコレートが使われているのでしょうか??今回はそんな疑問に答えていきたいと思います。
結論から言うと『チョコレートビールにはチョコレートが使われていない場合もある』と言えるでしょう。では、チョコレートが使われていないチョコレートビールの場合、嘘の表記になってしまうかと言うと、それも一概にはそう言えないのです。
チョコレートビールの〝チョコレート〟とは、〝チョコレートモルト〟というモルトを使って、チョコレートの様なフレーヴァーを造りだしているという場合があるのです。
モルトは、大きく分けて〝ベースモルト〟と〝スペシャリティーモルト〟の2種類に分かれます。全てのビールに少なくとも50%以上使われていて色が薄いモルトが〝ベースモルト〟です。これは、ビールの糖分を造る為に欠かせないモルトです。
そしてビールの色や甘さ、ボディーなど、キャラクターをコントロールする時に使われるのが〝スペシャリティーモルト〟です。スペシャリティーモルトには、キャラメルモルト、クリスタルモルト、アンバーモルト、ブラックモルト・・・など様々ありますが、チョコレートモルトもこの中の一つです。こうした様々なモルトを組み合わせて、ビールは出来ています。
チョコレートモルトの場合、真っ黒よりは、少し茶色で、まさにチョコレートの様な色をしています。ビールに、ダークな色合いと香ばしい、ロースト風味をつけます。このチョコレートモルトは全体のモルト使用量の約3%使うだけで、ビールは薄い茶色になりナッティーなフレーヴァーをつけます。10%以上使うと、チョコレートの様なフレーヴァーと、苦みが強くなり色も黒に近くなっていきます。
もちろんチョコレートが使われている〝チョコレートビール〟もちゃんとあります。とはいっても、想像されている固形のチョコレートは、使いづらいのでリキッド状の物やココアパウダーなどの粉末の物が使われます。
まぁどちらにしても、〝チョコレートのフレーヴァーがあるビール〟と言う事には、変わりないでしょう!! これからの時期、たくさんのチョコレートビールが登場することでしょう。女性の皆さん、今年のバレンタインデーは、大切な人にチョコレートビールを贈ってみてはいかがでしょうか??
by Kido Hirotaka
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