Beer Diaries (Summer 2010)

『本日の予想最高気温は29℃、湿度70%、不快指数は80です。今日も一日元気に乗り切りましょう!』。朝のお天気ニュースのお姉さんが爽やかに告げる蒸し暑い夏の日の始まり。

私は東北育ちなのでとりわけ夏が苦手だったが、今は快適に乗り切る方法を知っている。

仕事終わりの夕方になったら残業せずにHappy Hourの時間内にBeer Pubへ入ろう。先ずヒューガルデンホワイトというベルギービールをオーダーする。サイズは大きい方が効果的。総容量820mlの6角形の肉厚な大型グラスだが、思い切って片手でぐいっといこう。すると清涼感いっぱいの喉ごしとともに爽やな開放感が一気にやってくる。コリアンダーシードとオレンジピールが特徴のこのフルーティなビールは、首すじに張り付いたままの髪の毛の事も、汗染みと臭いが気になるジャケットの事も忘れさせてくれる。しかもHappy Hourだからお財布に優しい。

夏のHappy Hour作戦をきっかけに、私は次々と色んなビールを試してきた。

箕面ビールのペールエールは凛とした味と香りで夏の疲れを吹き飛ばしてくれる。富士桜高原麦酒の濃厚なヴァイツェンは夏バテ気味で食欲のない日にいい。酵母が弱った胃を優しく満たし活力がわく感じがする。オラホビールのゴールデンエールは夏らしくて好きだ。淡いラガーのような味わいで、美しい金色は太陽を連想させる。最近はチェコスタイルが特徴の横浜ビールのピルスナーが気に入っている。ピルスナーに限らずここの若いブルワーさん達が作るチャレンジングなビールは応援歌のようにバテた気持ちも元気にしてくれる。

はじめは夏の不快指数が高いほどビールでハッピーになれると思っていた。でもそうじゃない。最高のビールだからハッピーになるんだ。

こんな感じで今年の夏も楽しんでいる。

by Hanako Hirade

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