World Beer Cup Roundup

米国コロラド州ボールダーに本部があるビール協会が主催する第4回ワールドビアカップがこの4月に開催され、世界中から642のビール醸造所が参加、90のカテゴリーに分かれて合計3330ものビールがエントリーした。審査は26の国から179人の審査員が担当。

日本からも何社か参加し、中でも沼津のベアードブルーイングは3つのカテゴリーで金賞を受賞するという快挙。スペシャルティビール部門で「カントリーガールかぼちゃエール」、アメリカンスタイルアンバーラガー部門で「沼津ラガー」、ベルギー・フランススタイルエール部門で「セゾンさゆり」が金賞を受賞した。コエドビールもサツマイモを使った「コエド紅赤」がスペシャルティビール部門で銀賞を受賞、富士桜高原麦酒の「ラオホ・ボック」もスモークビール部門で銅賞を受賞した(スモークモルトについては本誌創刊号参照)。

今回のコンペティションを総括すると、国別では地ビール文化が盛んなアメリカがやはり受賞数でダントツの成績。ドイツとベルギーは予想通りドイツ・ベルギースタイルビール部門で強さを見せたが、その他の部門ではいくつか予想外の結果も見られた。いくつか例をあげると、その他のベルギースタイルエール部門でオーストラリア・ニューノーシアの「アビーエール」が金賞を受賞、ドイツスタイルダークウィートエール部門ではイタリアの「ヴードゥー」が金賞を受賞、イギリススタイルマイルドエール部門ではメキシコ・セルベセリアミネルヴァ醸造所の「ミネルヴァペールエール」が金賞を受賞、ボヘミアスタイルピルスナー部門ではアメリカのモルガンストリート醸造所の「ゴールデンピルスナー」が本場チェコの2つの醸造所を抑えて金賞を受賞したことなどはちょっと意外な結果だったのではないだろうか。

その他、意外な国のビールで面白かったのは、リトアニア共和国のカルナピリオ・タウロ・グルッペ醸造所のビールがスペシャルティ・ハニービール部門で金賞、ドイツスタイル・ヘラーボック/メイルボック部門で銀賞を受賞したことや、シンガポールの醸造所アジアパシフィックブルワリーの「タイガークリスタル」がトロピカルスタイル・ライトラガー部門で金賞を、同社の「タイガービール」がインターナショナルスタイルラガー部門で金賞を受賞していたことなどが挙げられる。そして最後に、ビール好きなら是非チェックして欲しいのがデンマーク・コペンハーゲンの「ノアボ・ボルックフース」という醸造所。僕も何度か実際に行ったことがあるが、ここの地ビールは今回のコンペティションでもアメリカンスタイルインペリアルスタウト部門とバーレーワインスタイルエール部門で金賞を受賞していて本当に素晴らしい。

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