それはさておき、炭酸のガンガン効いた日本のトップブランドビールを作っている大手ビール会社のすぐ隣で味わう本物の「リアルエール」はより一層美味しく感じられました。何とも風刺の効いた?ロケーションだと皆さん感じられたのではないでしょうか。
今年も昨年に続きたくさんの参加者がありました。初期の頃の規模と比べると随分スケールアップし、今では日本を代表するビールイベントとして皆さん楽しみにしていらっしゃるようです。参加メーカーも多彩で今年も美味しいビールがたくさんありました。私は肝臓の能力の限界で全ての銘柄を制覇することはできませんでしたが、今回飲んだビールの中から注目すべきものをいくつか挙げてみます。
箕面ビール:インペリアルスタウト(炭酸ガス版と標準版)
心地良いアルコール感と共にローストされた大麦の素晴らしい香りが楽しめる。炭酸ガス版の方は多少の渋みを感じるが持続するものではなく、標準版と共に柔らかな甘みが口の中に残り次の一口を誘う。仕事から帰って自分の家で寝る前に飲むビールとして最高。
伊勢角屋ビール:ブラウンエール(シトラ・ドライホップ)
仲間内でも特に好評だったビール。シトラという新種で珍種のホップを惜しみなく使ってドライホッピングを行なうことで、パイナップル、マンゴー、パパイヤなどに例えられる際立ったアロマを持つ。見た目はむしろアンバーエールに近いがいずれにしてもこのビールの味は文句のつけようがない。是非他のビールも飲んでみたいと思わせる美味しさ。
常陸野ネストビール:Casked Pale, ソラチゴールド
常陸野ネストから出品されていた2種類のビール。Casked Paleの方は期待通りの美味しさだったが、ソラチゴールドにはちょっと驚いた。このビールに使用されているソラチエースホップはサッポロビールが日本で開発したもので私は今まであまり注目したことは無かった。このホップは土臭いキノコのような風味があるというイメージがあったためだが、今回飲んだソラチゴールドではそれが清々しい木の香りのように感じられ、そこにほのかなバニラとレモンの香りがプラスされ美味しいビールに仕上がっていた。
志賀高原ビール:Not So Mild Ale
ネーミングに反してバランスの取れた風味を持ち、気取らない飲み屋で平日の夜などに気軽にグイグイ飲むのにちょうどいい感じのエール。
その他で美味しかったビール:アウグスビールのToshi’s IPA、ハーヴェスト・ムーンのT.S.T、スワンレイクビールのリアルポーター、ヤッホーブルーイングの東京ブラックリアルエール、ブリュードッグの5 AM Saint
美味しいビールがたくさんある中で、平均点以下のビールがいくつかあったのも事実。日本の地ビール、リアルエールの品質は近年大きく向上してきていますが、もっともっと美味しいビールが出てきて欲しいと思います。
リアルエールに乾杯! そしてリアルエール造りに熱心に取り組んでいる人たちをみんなで応援しましょう!
次号(夏号)の特集記事パート2:今号のリストに掲載しきれなかった地ビールメーカーと地ビールの取材をお楽しみに!
by Jason Koehler
This article was published in Japan Beer Times # () and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.