Beer Diaries (Spring 2010)



外でビールを飲むのが楽しい季節になってきた!

戸外の新鮮な空気はビールの味を引き立ててくれるような気がする。今年は冬に逆戻りしたような日も多いが、少し寒いくらいの方が、クーラーバッグを忘れて出かけた日もビールが温まりにくくて安心だ。冷たい空気がほろ酔いの頬に触れる時の感覚も心地良い。たまにはお日様も浴びておきたいし。お花見などの、翌朝吐く息からもホップが香り続けるような、仲間達との大宴会は最高だし、スケジュールの合間に空き時間を捻り出して、ベンチや石段でぷしゅっ!と缶を開けるのも贅沢な瞬間だ。もちろん瓶でもいい!樽でもいい!(それにしても、瓶を買い公園まで歩いてから栓抜き問題が発覚するほど空しいことはない。)

そして、外飲みをする時にもう1つ楽しみなのが景色。春の始めからちょうど今頃あたりは、細やかな自然の色の移り変わりを最も楽しめる季節だと思う。例えば私の大好きなイギリスの庭なら、まだ冬色の枯れた地面に、スノードロップの白、水仙の黄色、クロッカス薄い青や紫ピンクなどがプチプチと顔を出してくる季節。春告げ花達のそんな優しい色合いを楽しむ時には、同じく優しいイギリスタイプのビターが飲みたくなる。

ありがたいことに、旬の食材を生かしたお料理から四季折々の風情を楽しむ機会には、子供の頃から恵まれてきたのだが、ビールでも同じように季節の移ろいを感じることができるなんて、最近まで気付かなかった。ビールは、苦くてお腹がガフガフになって真夏にスカッと・・(以下略)と信じて生きている時間がとても長かったのだ。お婆さんになるまでそのままじゃなくて本当に良かったと思う!美しい四季のある国に生まれたこと、そんな風情を楽しむ余裕が毎日の中に残されていること、ビール、健康、仲間・・色々なことに対して感謝が沸いてくる。仕事や雑事に追われて走り続けている中で、ふっと立ち止まり考えを巡らせる時間が持てるのは、美味しいビールとゆったりとした春の空気のおかげだ。

by Murakami Rei

This article was published in Japan Beer Times # () and is among the limited content available online. Order your copy through our online shop or download the digital version from the iTunes store to access the full contents of this issue.