Drink Japan 2022
今年第7回目を迎えるドリンクジャパンは、米国のクラフトブルワーズやヨーロッパのドリンクテック同様、世界有数のクラフトビール展示会である。年に一度開かれるドリンクジャパンが他とは異なる点として、この展示会では飲料と液状食品のジャンルをすべてカバーしていることが挙げられる。しかし、回を重ねるごとにビールに関連する企業の出展が増え、現在ではビール業界の展示会としての役割も果たしている。出展しているのは原料を扱う企業や、醸造設備を販売している企業など。ビール業界に長くいる人も、ブルワーを目指している人、ブルーパブを開店しようとしている起業家も、一見の価値がある構成となっている。
今年は幕張メッセで12月7日(水)から9日(金)まで開催され、出展予定の企業数は400超、セミナーも約50ほど開かれる。クラフトビール業界からは、ヤッホーブルーイングの清水俊介が「よなよなエール流 ファンとつくる差別化戦略」をテーマに講演をおこなう予定だ(同社は19年間連続して成長を続けており、日本におけるクラフトビール界のけん引役を果たしている)。また伊勢角屋麦酒の代表取締役社長である鈴木成宗氏が「野生酵母の単離とクラフトビールの可能性」について講演する。ご存知の方もいるかもしれないが、鈴木氏は野生酵母の単離と商業利用による研究で博士号を取得、現在も研究を続けており、これまで数々の賞を受賞したビールにも彼が手がけた酵母が使用されることがあるという。
もちろん、この2つ以外にもブルワーや日本の飲料に興味がある人に役立つセミナーが数多く開催される。ドリンクジャパンのような展示会の長所の一つとして、業界全体を対象としているために、カテゴリーを超えた多様な情報を得られることが挙げられる。例えば、コカ・コーラ社による講演内容がクラフトビール業界にとって有益な情報を含んでいるかもしれないのだ。また今回重要なトピックの一つとしてサステナビリティが取り上げられており、これをテーマにした講演がいくつかおこなわれる予定。そのほかにも、ソフトバンクロボティクス社とコロワイド社によるロボットや新技術を活用した飲食店の人手不足解決に向けた講演もあり、飲食業界の将来像に触れることもできる。自動の樽洗浄機は以前からブルワリーに導入されているが、新しい技術で今後どのような未来が待ち受けているのだろう?
セミナーに参加するにはドリンクジャパンのウェブサイトから事前申し込みが必要なので注意しよう。展示会自体の参加費は驚きの無料であるが、こちらも事前にオンラインでの申し込みが必要だ。また、来場できなくなった場合はZoomやWhatsAppなどでのミーティングのサポートをしてくれる。スタッフは英語、中国語と韓国語に対応。展示会についてさらに詳しく知りたい場合はウェブサイトをチェックしよう。それでは、会場で会おう!
耳より情報! なんと、ドリンクジャパンのオリジナルクラフトビールが誕生した。このビールを手がけたのはイクスピアリ(ハーヴェストムーン)の園田智子。ワールドビアカップで金賞を受賞したばかりの園田が今回リリースしたのはイングリッシュビターだ。配布条件を満たした来場者に先着順でプレゼントされる。