京都府第2の都市と言うと難しいかもしれないが、お茶と言えばすぐさま宇治である。今年8月8日(土)に、この宇治でビールのイベント「クラフトビール夜市」が開催される。
これまで宇治ではこの時期、なんと56回にわたって年1回の宇治川の花火大会を開催してきた。しかし去年は台風の影響による宇治川の増水で初めて中止せざるを得なくなった。そして今年は、川沿いの花火打ち上げ場所が護岸工事の都合で打ち上げが不可能であり、早々に中止を決めていた。そこで、地域にとって年1回の重要な祭の機会を維持するためにまず「宇治歴史夜噺」というお化けをテーマにした祭を8月8日、9日に開催することにした。そのプログラムの一つとして、盛り上がりを見せているクラフトビールのイベントを8月8日に開催することになったのだ。
なぜお化けをテーマにしたかというと、宇治の名前がついている説話集である『宇治拾遺物語』に収録されているジャンルに「恐ろしき話」があるからだ。そしてクラフトビールは、京都府内にブルワリーが6カ所あり、京都市内だけでなく宇治にもクラフトビールを扱うお店があり、定着の兆しを見せている。そしてそのお店の一つであるザ・ロッキンハーツが協力する形で、クラフトビール夜市が実現することとなった。
クラフトビール夜市の会場は、JR奈良線の宇治駅からほど近い、宇治橋通り商店街のうちの約400メートル。当日は歩行者天国になる。出店予定は五十音順で、伊勢角屋麦酒(三重)、一乗寺ブリュワリー(京都)、黄桜(京都)、キンシ正宗京都町家麦酒(京都)、京都醸造(京都、本誌最新号を参照)、京都周山街道ビール(京都)、國乃長ビール(大阪)、丹波篠山ジグザグブルワリー(兵庫)、茶緑本舗和束茶ビール(京都)、山岡酒店(京都)の10者である。それぞれがビール1杯約300mlを500円で提供する。フードは商店街の各店からさまざまなメニューが出される予定だ。
1杯から楽しめるので、近場の人がふらっと寄って面白いのはもちろん。さらに、ビール提供者は比較的近隣のところが参加しているので、地域性を感じることができる。違う地方から遊びに行くとそれはなおさら感じられるだろう。会場にはベンチのほかテントも用意される予定であり、少々の雨でも決行とのことである。そして最も珍しいのが、「夜市」の名前の通り、開催時間が16時~22時にしていることである。真夏の時期だが、少し涼しくなった時間帯でビールを楽しめるということだ。
ザ・ロッキンハーツの店主の江口篤志は「宇治にはかつて地ビールメーカーがあり、市民はなんとなくクラフトビールのことを知っている。全国的にも珍しい夜のクラフトビールイベントとして定着させたい」と意気込む。
クラフトビール夜市開催前の8月8日14時からは、これからクラフトビールを楽しんでいきたい人のために、テイスティングを体験するイベントも開催。クラフトビールを余すことなく楽しむためのノウハウも提供される。申し込みはザ・ロッキンハーツ(電話:0774-23-3303、E-mail: therockinhearts2013@gmail.com)まで。
開催情報
イベント名:クラフトビール夜市
場所:宇治橋通り商店街(京都府宇治市、JR奈良線・宇治駅からすぐ)
日時:8月8日(土)16時~22時(14時~ザ・ロッキンハーツにてビールのテイスティングイベントも開催)