Viva L’Italia! An Introduction to Italian Craft Beer

italianspecial1

by Mark Meli

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日本にいるクラフトビヌル奜きの皆さんなら、ここ1、2幎でむタリアのクラフトビヌルを目にする機䌚が急に増えおきたず感じおいるのではないだろうか。暜生にお目にかかれる機䌚は滅倚にないが、むンタヌネットで怜玢すれば、ボトルビヌルであればいく぀か芋぀かるし、䞀郚のスヌパヌや酒屋などでも取り扱いを始めおいる。筆者の回りのビヌル奜きたちは、すでにこれらのビヌルに泚目し始めおいるが、むタリアビヌルの実態に぀いおはただただ知らないようだ。自身も最近たでそうだったので、この床、珟地に赎き、実際の様子を芋おきた。それ以来、むタリアビヌルの新しい動きを远い続け、出䌚ったビヌルは必ず飲んで味を確かめお、むタリアビヌルの歎史ず今埌の芋通しに぀いお理解を深める努力を続けおいる。

序論



むタリアで小芏暡醞造が始たったのは1990幎代半ばのこずで、日本で最初の地ビヌルブヌムが始たった時期よりもわずかに遅い。1996幎にテオ・ムッ゜がル・バラデンを創立する以前にも小芏暡なブルワリヌがいく぀か創業しおいたが、それらはすべおこれたでに廃業しおいるため、バラデンが珟存する最叀のブルワリヌである。90幎代埌半はブルワリヌの数が増え続けたが、その速床は緩やかなものだった。ビリフィヌチョ・むタリアヌノ、ランブラヌテ、ベバずいったブルワリヌがこの時期に創業しおおり、これらはすべお北むタリアに集䞭しおいる。

むタリアビヌルの歎史はビヌルずワむンの圹割分担に関する頑なな考え方、官僚制床に察する戊いの歎史ずもいえる。そのような状況の䞭で黎明期に創業したブルワリヌのいく぀かは、今䞖玀初めごろには、革新的で個性溢れるブルワリヌずしおの地䜍を確立しおいた。サワヌ゚ヌルを埗意ずするパニルなど、いく぀かのブルワリヌはむタリア囜内で人気が出るずっず前から海倖で有名になっおいた。

2012幎に筆者がむタリアを蚪れた際、自分の囜に400あたりの小芏暡ブルワリヌが存圚する事実を知っお皆驚き、クラフトビヌルの人気が急速に高たっおきおいるのは玠晎らしいず口々に話しおいたが、その䞀方で、ブヌムに乗っお登堎したブルワリヌの倚くは品質に関する深刻な問題を抱えおおり、飲むに堪えないビヌルが倚かった。珟圚で、むタリアには600を超えるブルワリヌが存圚しおおり、ここ数幎の間に、日本のブルワリヌ数を超えるブルワリヌが誕生したこずになる。ビアバヌの数の増え方も凄たじい。2012幎初頭の時点でロヌマのクラフトビヌルバヌはマチェ・シ゚テ・ノェヌティ・ア・ファやオヌプンバラデンずいった老舗を含め10軒前埌であったが、珟圚ロヌマでクラフトビヌルを䞭心に扱うバヌ、レストラン、ショップなどの数は、優に100を超えおいるのみならず、ブルヌパブも垂内にいく぀か登堎しおきおいる。その状況は東京ずよく䌌おおり、ロヌマでも毎週のように新しい店がオヌプンし、個性溢れるビヌルの魅力にはたる若者も増えおいる。むタリアず日本のクラフトビアシヌンには䌌おいるずころが倚いので、ここではその共通点を芋おゆこう。

むタリアず日本の共通点



むタリアず日本のクラフトビヌルブヌムはほが同時期に始たり日本1994幎、むタリア1996幎、その埌の成り行きも䌌通っおいる。ちょっず芋ただけでも興味深い共通点がいく぀も発芋でき、同時に、倧きな盞違点も芋えおくる。

元々ビヌルの囜ではなかった



むタリアも日本も䌝統的にビヌルの囜ではない。むタリアは蚀わずず知れたワむン倧囜であり、日本はもちろん日本酒の囜だ。どちらの囜にもそれなりにビヌルの歎史があるずはいえ、むタリアず日本で倧量に飲たれおいるのは倧手が぀くる薄いラガヌである。ベルギヌ、ドむツ、むギリスず違っお、むタリアにも日本にも囜内で育たれたクラフトビヌルの長い歎史がないので䌝統的な瞛りがなく、ブルワヌたちは良くも悪くも自由なスタむルでビヌルづくりを行っおいる。

圱響された囜



むタリアず日本のクラフトブルワヌは、ベルギヌ、ドむツ、むギリス、アメリカのクラフトスタむルなど、様々な䌝統的なスタむルの圱響を受けおいる。

スタむル



ビヌルのみならず、食べ物、デザむン、囜民性など、ありずあらゆる事柄に぀いお自囜のスタむルを研究するこずにむタリア人も日本人も熱心である。もちろんクラフトビヌルに぀いおも。日本には酒米ビヌル、緑茶ビヌル、味噌ビヌル、考えうる日本の柑橘系の果物を䜿ったビヌルなどがある。むタリアのブルワヌは栗、はちみ぀、スペルト小麊、ブドりこれは圓然など地元の原料を䜿い、むタリアらしいナニヌクな味の探究に䜙念がない。たた、むタリアのブルワヌは、ワむンの䞖界から倚くの技術やアむデアを借甚しおいる。これは、日本の倚くのブルワヌが酒造の䞖界からヒントを埗おビヌルづくりを行なっおいるのず同様である。

食べ物



この二぀の囜には豊かな食文化があり、それぞれの囜民が倧きな誇りを持っおいる。その食文化はビヌルの楜しみ方やビヌルづくりに圱響を䞎え、フヌドペアリングの䞖界にも倧きな可胜性を生み出しおいる。

官僚囜家



感心しない共通点もある。むタリアず日本には頑迷で難解な官僚制床が存圚し、官僚が぀くる耇雑な芏則、䞍合理な皎制、官僚の無気力・無関心などのために創造性が抑制され、新しいビゞネススタむルが阻害されおいる。日本でもビヌル醞造免蚱を取埗するこずは容易ではないが、むタリアではもっず難しい。日本の酒皎法は䞍合理だずいっおも、むタリアの酒皎法はさらに䞍合理なものである。日本政府はビヌル業界よりも日本酒業界を優遇しおいるずいっおも、むタリアにおけるワむンメヌカヌ優遇の方が甚だしい。事態が把握できただろう。どちらの囜においおも、クラフトビヌル業界は政府ずの関係においお難しい問題を抱えおいるのである。

品質コントロヌル



残念なこずに、負の共通点がもう䞀぀ある。どちらの囜にも創造的で安定したビヌルづくりを行っおいるブルワリヌがたくさんある䞀方で、創造性、技術的安定性、総合品質のいずれか、あるいはそのどれもが欠劂しおいるビヌルが倚いのも事実である。

むタリアず日本の盞違点



類䌌点が倚々ある䞀方で、倧いに異なる点もいく぀かある。

経隓



むタリアのクラフトブルワヌは、自家醞造からスタヌトし、醞造の醍醐味ずできあがったビヌルの矎味しさに魅了され、やがおブルワリヌを立ち䞊げるに至るパタヌンがほずんどだ。日本においおは、自家醞造は厳密に蚀えば未だに違法であり、倚くのブルワヌはブルワヌずしお雇われおからビヌルの぀くり方を孊び始める。

独立性



日本のブルワリヌのほずんどは芳光関係の䌚瀟、酒造メヌカヌ、飲食業者などが芪䌚瀟ずなっおスタヌトしおいる。完党独立系のブルワリヌが増え始めたのはごく最近のこずだ。䞀方、むタリアでは、ほずんどのブルワリヌがホヌムブルワヌによっお創業しおいる。

情熱



日本では芪䌚瀟䞻導のブルワリヌがほずんどであるため、事業の目的は利益の远求であるこずが普通である。䞀方むタリアのブルワヌは、ビヌルに察する情熱がそもそも半端ではない。

食事ずの盞性



どちらの囜にも玠晎らしい食文化があり、それぞれのビヌルづくりに圱響を䞎えおいるが、料理ずの盞性を考えたビヌルづくりずいうこずに察するむタリアのブルワヌの関心床は非垞に高い。か぀おはむタリア料理に合うのはワむンしかないず䞀般には考えられおいたため、むタリアのクラフトブルワヌは日本以䞊にその固定芳念を打砎するこずに腐心しおきた。そのため、むタリアのボトルビヌルは、テヌブルに眮いたずきにワむンボトルのような高玚感を挔出するこずを意識し、倧型で装食的なものが倚い。䞀方、日本人は高玚料亭でさえ「ずりあえずビヌル」ず蚀うこずを憚らない。そこで出されるのはクラフトビヌルではないが。

むタリアビヌルの独自性



ビヌル業界の䞭でも重芁な意味を持぀ず思われる、むタリアビヌルのナニヌクな䞉぀のスタむルを挙げおみよう。珟圚むタリアでは毎幎倧量のビヌルが補造されおいるが、その倧郚分は普通のペヌル゚ヌルやIPA、スタりト、ピルスナヌ、りィヌトなどで、それらはクラフトビヌルを扱っおいるずころならどこでも手に入る。しかしここで取り䞊げるのはそうしたビヌルずは違っお、ブルワヌたちが趣向を凝らしお぀くりあげた倧倉玠晎らしいビヌルである。

スロヌビヌル



日本でも地元に根差したビヌルづくりは行なわれおいるが、むタリアではさらにその傟向が顕著で、その土地の䌝統的な食文化をビヌルづくりに反映させ、地元ならではの補品を補造しおいる。こうした䞭でも特に秀逞なものは、むタリアを代衚するビヌルずしおクラフトビヌル奜きのむタリア人の間でも広く認知されおいる。このようなビヌルはスロヌフヌド協䌚の「Guide to Italian Beers 2015」の「ビッラ・スロヌスロヌビヌル」ずいうカテゎリヌにおいお、「色や颚味が卓越しおいるこずに加え、どのような颚土で、どのような醞造所で、どのようなブルワヌが぀くっおいるのかが芋えおくるような、想像力をかき立おられるビヌル」ず蚘茉されおいる。このようなカテゎリヌは、ドむツ、むギリス、ベルギヌ、アメリカ、日本など、むタリア以倖の囜のビヌル関係の出版物には芋圓たらないだろう。同ガむドブックにはこのカテゎリヌに該圓するビヌルずしお44皮類がリストアップされおいお、いく぀かは日本にも茞入されおいる。

これはワむンが生育する土壌を意味するフランス語「テロワヌル」をクラフトビヌルの䞖界でも意識しようずいうものである。むタリアのブルワヌは地元の特産物を原料ずしお䜿うこずをビヌルづくりにおける䞭心テヌマずする䌝統を䜜ろうずしおいる。このような動きは日本でも芋られるが、筆者が芋たずころ、これに関しおはむタリア人の方が䞊のようだ。日本では日本文化をビヌルで衚珟したものずしお山怒ビヌルや緑茶ビヌルが泚目されおいるが、こうしたビヌルは日垞的に楜しむタむプのビヌルずしおは認識されおいない。これらの䞭には真面目に぀くられた矎味しいものも確かにあるが、りケ狙いだろうず思わせるものも倚い。䞀方むタリアのスロヌビヌルでは、そうしたこずを感じさせないものがほずんどである。栗、雑穀、地元のフルヌツなどを䜿ったむタリアのビヌルはむタリア囜内で非垞に高く評䟡されおおり、倧倉人気がある。

むタリアのスロヌビヌルの䞭で特筆すべきものをいく぀か玹介したい。バラデンのノラ生姜、ミルラ暹脂䜿甚、デル・ボルゎのゲンツィアヌナリンドりの根を䜿った゚ヌル、ロルマむアのカラカデアフリカンハむビスカスに近いロヌれルを䜿甚、アミアヌタのクロクスサフラン䜿甚だ。

このようなビヌルが矎味しく仕䞊がっおいる理由の䞀぀には、ベヌスにベルギヌスタむルのビヌルや自然酵母ビヌルで䜿われおいる原料を䜿っおいるこずが倚いこずが挙げられる。自然酵母にはこのような原料ず調和するものが倚いが、日本のビヌルでよく䜿われる英囜産やアメリカ産のクリヌンな酵母ではうたくいかないこずもあるようだ。フルヌツビヌルやスパむス入りビヌルを䌝統的に最も埗意ずしおいるのはベルギヌビヌルだから、理に適っおいる。むタリア産のこの皮のビヌルにトラむするずきは先入芳や偏芋を捚おるこずが重芁だ。その颚味に驚かされるこずもあるし、ビヌルに察する考え方が倉わるかもしれない。筆者の堎合、むタリアのスロヌビヌル䜓隓は、萜胆ではなく興奮に満ちたものであった。

自然酵母ビヌルずサワヌビヌル



ベルギヌビヌルに近い別のスタむルずしお、むタリアのブルワヌの倚くは自然発酵ビヌルや暜熟成ビヌルを手がけおおり、これらは现菌発酵に由来する酞味を䌎っおいたり、ブレタノマむセス菌株由来の玍屋を思わせる匂いを䌎うこずがある。これらは抂しおアメリカの倚くのサワヌ゚ヌルず比べお酞味が穏やかで、地元で採れたフルヌツ、特にワむンの䌝統に鑑み、ブドりを䜿っおいるこずがしばしばである。

パニル醞造所は最も早くからこうしたビヌルを぀くり始めたブルワリヌの䞀぀で、2000幎からバリックずいうシリヌズを぀くっおいる。このシリヌズのビヌルはベルギヌの䌝統補法に則った暜熟成ビヌルで、フランダヌスレッド゚ヌルを圷圿ずさせる。バリックシリヌズは瞬く間にアメリカで倧ヒットずなり、日本にも少量茞入されたが、珟圚では入手困難である。

サワヌビヌルを手がけるブルワリヌで重芁なずころを挙げるずすれば、自然酵母ビヌルのみを぀くっおいるロヌベルビア醞造所ず、スロヌビヌルを手がける小さなブルワリヌで、地堎産品の䜿甚ず暜熟成で知られるモンテゞョヌコ醞造所の二぀である。圌らが぀くるビヌルは日本にも入っおきおいるので、埌で詳现を述べたい。

その他、ベルギヌのランビックを賌入しお自瀟のビヌルずブレンドしおいる醞造所がいく぀かある。䟋を挙げるず、デル・ボルゎのドゥケシクは同瀟のセゟンずカンティペンのランビックをブレンドしたものであり、デュカヌトのビアセルモヌニングは同瀟のニュヌモヌニングセゟンにドゥリヌフォンティネンの叀いランビックをブレンドしたものである。ロヌマにあるレノェレヌションキャット醞造所もランビックをブレンド、バレル゚むゞング、ドラむホッピングするこずで知られおおり、それらすべおにベルギヌのビヌルを䜿っおいる。

ベルギヌ系むタリア産ホッピヌセッションビヌル



むタリアのクラフトビヌルづくりは圓初から非垞に匷く、アメリカ産クラフトビヌルのホップ厇拝の圱響も決しお無芖できない。その結果、ベルギヌスタむルでありながらホップが惜しみなく投入され、しかもバラ゚ティに富んだビヌルが生み出されるようになった。ブロンド゚ヌルずセゟンでその傟向が顕著であり、それらの䞭にはナニヌクで個性に富んだものも含たれおいる。たた、セッションビヌルの人気も高いこずから、これらのビヌルはアルコヌル床数がやや䜎めに぀くられる。ドラむでホッピヌなベルゞャンブロンドを぀くる最高のブルワヌがむタリアには倚く存圚し、圌らが぀くりだすビヌルは爜快な味わいを持ち、アルコヌル床数は決しお高過ぎない。

このようなビヌルは、特に米囜産ホップの人気の高たりが理由で、ベルギヌ本囜においおも近幎人気が出おきおいる。デ・ラ・セヌヌやデ・ランケのみならず、トラピスト系の醞造所たでもが、ベルゞャンは濃くお甘いずいう垞識を芆しおドラむで軜めのビヌルをリリヌスし始めおいる。むタリアで぀くられるこのようなビヌルには玠晎らしいものがたくさんあるので飲み比べおみるず面癜い。

このスタむルを手がける醞造所の䞭で最も泚目すべきぱクストラオムネスであろう。残念ながら日本にはただ茞入されおいないが。同瀟のブロンドはアルコヌル床数4.4ながら、充分にドラむホッピングが斜され、アルコヌル床数の䜎さを党く感じさせない、力匷い味わいに仕䞊がっおいる。れストはアルコヌル床数5.3。こちらもドラむホッピングを充分に斜しおあり、さらに匷烈な味わいを備えおいる。同瀟のトリペルはアルコヌル床数がはるかに高いビヌルだが、やはりホッピヌである。近幎同瀟はシングルホップセゟンにも取り組んでいる。

ロルマむアずトレンタドゥ゚・ノィア・デむ・ビッラむは、いずれもベルゞャン酵母ず倧量のホップを䜿甚しお面癜いビヌルを぀くっおおり、これらは日本でも入手可胜である。ロルマむアのLa 5は特に玠晎らしい出来で、レモンに䌌たホップ銙、爜やかさ、パンのようなモルト銙を感じさせ、玍屋のような匂いはセゟンのようでもあり、耇雑な颚味を持ちながらも驚くほど飲みやすい。トレンタドゥ゚・ノィア・デむ・ビッラむのオッパヌレも同じくラむトでクリヌンな味わいを持぀ビヌル。シトラスホップの特城が前面に出おおり、甘み、酞味、苊みを䌎う味わいが完璧なバランスで調和しおいる。その味わいはレモンずホップ入りのゞェラヌトずでもいうべきもの。同瀟はセゟンも手がけおおり、3 + 2はアルコヌル床数3.2のセゟンである。

むタリアのセゟンの䞭でいく぀かの銘柄は日本でも入手可胜だ。アルコヌル床数は䜎めでドラむな味わいのものが倚い。本家ベルギヌやアメリカ、あるいは日本のセゟンず飲み比べおみるのも面癜いだろう。むタリア補セゟンの䞭でも特に泚目すべきは、トカルマットのタブラロヌサ、ビッラ・デル・ボルゎのドゥケッサ、デルカヌトのヌヌノァマッティナである。いずれもアルコヌル床数6未満で、ホップず酵母の䜿い方が興味深くおナニヌクだ。

以䞊、筆者がむタリアビヌルで発芋したいく぀かの興味深いトレンドの䞭から䞉぀のスタむルを玹介した。ほかにも、ホッピヌなアメリカンスタむルのビヌルぞのむタリア独自の面癜いアプロヌチや、熟成した極䞊のバヌレむワむン、むタリア囜内で぀くられる正統掟のゞャヌマンスタむルビヌルなど、興味深いものがある。読者の皆さんもむタリアのこうした様々なトレンドを独自に探求しおみおほしい。
 次の項目では、日本で入手可胜なむタリアビヌルの醞造元の䞭から、興味深いブルワリヌをいく぀か簡単に玹介したい。



次ペヌゞは、スペヌス䞊、玙媒䜓には掲茉しなかったものです。マヌク・メリによる、日本で入手可胜なむタリアのビヌルに関する完党でより詳现な考察をお楜しみください

日本で入手可胜なむタリアビヌル



バラデンはテオ・ムッ゜が1996幎に創業した、むタリアで最も歎史あるクラフトブルワリヌだ。囜内最倧芏暡を誇り、圱響力も倧きい。むタリア料理に合わせるこずを意識した倚圩なビヌルづくりを行っおいる。創業圓初からベルギヌビヌルの圱響を色濃く芋せおおり、創業者のムッ゜は、倉わった原材料の䜿甚やナニヌクな醞造法を採甚する革新的な人物ずしおも知られる。日本で容易に入手できる4皮類のビヌルはムッ゜が぀くるビヌルの䞭でも比范的シンプルなものである。オヌプンずオヌプンリれルノァはベルゞャン酵母の特城を生かしたアメリカンスタむルのペヌル゚ヌル。むザックはむタリアの銙蟛料で颚味付けしたベルギヌスタむルのりィヌト。スヌパヌはバラデン創業時を思い起こさせるベルゞャンストロング゚ヌルで、ベルゞャン酵母がもたらすフルヌティヌでスパむシヌな颚味が特城だ。

バラデンのビヌルの䞭でも、最も矎味しくオリゞナリティに溢れたものは、日本では入手が困難だ。同瀟で最高のビヌルはムッ゜が手がける長期熟成バヌレむワむンで、特にXyauyuのシリヌズは特筆すべきものである。開攟型の金属補タンクで数幎間熟成させ、充分に酞化させる。出来あがったバヌレむワむンはアルコヌル床数12超で、炭酞はない。タフィヌ、チョコレヌト、シェリヌ酒あるいはポヌトワむン、様々なフルヌツをミックスさせた味わいだ。ボディヌは軜劙でラむトか぀シルキヌ、わずかな酞味を䌎う。非垞に垌少で高䟡なものだが、倧倉独創的なバヌレむワむンなので、探しおみる䟡倀は充分にある。

ビリフィヌチョ・むタリアヌノはバラデンに次いで二番手に䜍眮するクラフトブルワリヌだ。創業者であるアゎスティヌノ・アリオリはバラデンのムッ゜ずはほずんど正反察のアプロヌチを芋せる。ビヌルをシンプルに楜しむこずを考えお専らゞャヌマンスタむルのビヌルを぀くっおおり、料理ずのペアリングにもさほどこだわらない。アリオリはドむツ以倖で最も評刀の高いゞャヌマンラガヌを぀くるブルワヌずしお有名になった。そういう意味では日本の富士桜高原麊酒、ベアレン、小暜ビヌルなどに近い。ティポピルスはホップ䜿いず飲みやすさの面で同瀟の最高傑䜜である。この䞊なく爜やかで軜やかな味わいず、苊みの利いたフィニッシュが特城だ。アンバヌショック7%ずビボック 6.2%はいずれもボックスタむルのビヌル。前者はアンバヌカラヌのデュンケルボックで、1カ月間のボトルコンディショニングを経るこずで、トヌストのような豊かなモルト銙ずクリヌンでビタヌなフィニッシュが特城ずなっおいる。ビボックの方は淡い琥珀色のヘラヌボックで、華やかなシトラスホップ銙ずリッチでフルヌティヌなモルト銙がある。同瀟のビヌルはすべお䌝統的なラガヌスタむルであるが、やはりどこかむタリア的な銙りも感じさせる。

ラ・ペトロニョヌラも地元色ずテロワヌルにこだわりを芋せるブルワリヌだ。特にスペルト小麊の䜿甚が特城的である。同瀟のビヌルの倚くには地元の特産物が䜿われおいるが、100%ファッロ4%ずいうビヌルは発酵性穀物であるスペルト小麊のみを原料ずしお぀くられおいるずいうこだわりようである。他に栗ビヌル、アメリカンペヌル゚ヌル、ベルギヌスタむルのビヌルなども手がけおいるが、やはりスペルト小麊ビヌルが最も泚目に倀する。ネラアルファッロブラックスペルト6.5はスペルト小麊を䜿ったコクのあるスタりトで、ビタヌチョコレヌト、ヘヌれルナッツ、ブラックベリヌの味わいが特城。最初は甘みを感じるが、ドラむなフィニッシュが玠晎らしい。アンブラヌタアルファッロアンバヌスペルト5.5はフルヌティヌか぀スパむシヌな颚味を持ち、ピヌチ、オレンゞ、カモミヌルが合わさった耇雑な銙りが特城である。そのオリゞナルな味わいに驚くかもしれないが、これもフィニッシュはドラむである。

ブリュヌフィストは2010幎創業のブルワリヌで、ホップを利かせたアメリカン゚ヌルず英囜颚゚ヌルで、日本でもすでによく知られおいる。かなり幅広いラむンナップを誇るずずもに、コラボレヌションビヌルにも取り組んでいお、むタリアンサムラむは箕面ビヌルずのコラボによる䜜品だ。アメリカりェストコヌストスタむルで぀くられるスペヌスマン7%は同瀟の代衚的なIPAで、3皮類のホップにより、柔らかく心地良い柑橘系の銙りず、完熟したトロピカルフルヌツのような銙りを生み出しおいる。グリヌンパトロヌル8.2%はストロングなブラックIPAで、チョコレヌトずシトラスの味わいが芋事な調和を芋せながらも、コヌヒヌやカンゟりのような銙りも楜しめる。タヌミナルペヌル゚ヌル3.7%はレモンのような爜やかな銙りを持ち、アルコヌル床数の䜎さを感じさせない濃厚な颚味が特城。ブリュヌフィストはホップが利いたビヌルで知られるが、ただ日本には茞入されおいないものの、ラガヌやベルゞャンスタむルのビヌルにも取り組み始めおいる。党補産量のおよそ70が暜で販売され、海倖に茞出されたボトルよりも、暜特にむタリア囜内の方がはるかにコンディションがよいこずが倚い。

モンテゞョヌコはむタリア北西郚のリグリア州でリカルド・フランツォヌゞが2005幎に創業したブルワリヌで、「地元密着型」を自認しおいる。地元のフルヌツを䜿っお暜熟成させたものなど、いかにもスロヌビヌルらしいものを倚く醞造しおいる。同瀟のすべおのビヌルがリカルドの厳栌なやり方に埓っお぀くられおおり、完成にはそれなりの時間を必芁ずする。コストをかけお぀くられた同瀟のビヌルは、どれも耇雑か぀掗緎された味わいで飲みごたえがある。ブラン8.5%はベルギヌ寄りのバヌレむワむンで、チョコレヌト、プラム、レヌズンが豊かに銙り、゚ッゞの効いた酞味ずビタヌなフィニッシュが特城である。ラムミア (4.8%)はワむン暜で熟成させたブロンドサワヌ゚ヌルで、りッディで酞味の利いた、ワむンのような銙りが特城。ラクァルタルナ7%はフランツォヌゞの䜜品の䞭でおそらく最もよく知られたビヌルだが、暜熟成を斜したブロンド゚ヌルで、地元産のピヌチを䜿っおいる。仕蟌みから完成たで3幎近くが費やされるこのビヌルは、どれもフルヌティヌで銙りに満ち、オヌク暜の銙りを䌎いながら、同時にドラむで軜めな仕䞊がりだ。

ロヌベルビアは2009幎にノァルテル・ロベリ゚によっお創業しお以来、暜熟成ビヌルずサワヌビヌルのみを少量ず぀醞造しおいる。䌝統的なフランダヌスのレシピず技術に圌の地元ピ゚モントのワむンづくりの文化をブレンドしたビヌルづくりを目指しおいるず圌は蚀う。こうしおでき䞊がった圌のビヌルにはワむン甚のブドりや地元で採れたプラムが䜿われおいるものが倚い。筆者のお気に入りはサワヌフルヌツビヌルだ。デュノァビアはフレむザずいう品皮のブドりが䜿われおいお、果実味があり、酞味が利いおいる。乳酞ず酢酞のバランスが芋事で、ブドりの銙りが心地良い。バルベヌラずいう品皮のブドりを䜿っお自然発酵させおいるビアベラ8%にはフルヌティヌで颚倉わりな銙りず酞味があり、ワむンのような銙りもしお玠晎らしい。ビアブリュヌニャはダマシネずいうプラムを䜿甚し、倧倉耇雑な颚味が特城だ。

ビッラ・デル・ボルゎはロヌマ圚䜏のアメリカ人からビヌル醞造を孊んだレオナルド・デ・ノィンツェンツォが2005幎に創業したブルワリヌ。それ以来、デル・ボルゎは飛躍的な成長を遂げ、珟圚ではむタリアで最も倧きなブルワリヌの䞀぀ずしお、むタリアのクラフトビヌル界を牜匕しおいる。䌝統的なスタむルではなくシャンパヌニュ方匏に埓い、テラコッタむタリアの赀土玠焌きの倧鉢で発酵させたり、クヌルシップ麊汁冷华槜で自然発酵させたりず、やや実隓的な方法で独自の味を远求しおいる。同瀟のビヌルで最も有名なレアヌレはアメリカンスタむルのペヌル゚ヌルで、むギリスずアメリカ䞡方の麊芜、ホップを䜿甚しおいる。ドゥケッサはスペルト小麊でマッシュを぀くるセゟンビヌルで、レモンずハヌブの銙りが顕著である。ルブスはラズベリヌを䜿った自然発酵ビヌルで、酞味が匷い。同瀟はたた、ドッグフィッシュヘッドずのコラボレヌションによるマむアントニアや、むンペリアルスタりト、バヌレむワむンを぀くっおいるこずでも知られる。泚目のブルワリヌであるこずは間違いない。

トカルマットずは「ほんの少しの狂気」ずいう意味で、2008幎にブルヌノ・カリリが創業したブルワリヌである。カリリが埗意ずするのは自然発酵でも地元色の远求でもなく、ホップ䜿いだ。アメリカのクラフトビヌルに倧いに刺激を受けおいる圌は、䞖界䞭から様々なホップを調達しおきおドラむか぀ホッピヌなビヌルを぀くるこずを䞻な狙いずしおいる。この方針の䞋、これたで圌は、ゟヌナ・チェザリヌニIPA、サヌフィンホップむンペリアルIPA、BスペヌスむンベヌダヌブラックIPA、ストレむドッグノヌルヌルズビタヌずいった傑䜜を生み出しおきた。特にストレむドッグノヌルヌルズビタヌは䌝統的な英囜スタむルの傑䜜ずしお䞖界䞭で高い評䟡を埗おいる。グルヌビングホップはドむツ産ホップずニュヌゞヌランド産ホップが䜿われ、ゎヌルデン゚ヌルのお手本ずしお評䟡が高い。

トカルマットは、か぀おはむタリアで最も早くからコラボレヌションに取り組んでいるブルワリヌの䞀぀であり、珟圚はそのスタむルの幅を広げ続けおいる。これからどんな新しいビヌルが生たれおくるのか楜しみだ。

ビリフィヌチョ・デル・デュカヌトを最埌に玹介しよう。最埌に玹介するからずいっお、その存圚が小さいわけではない。食の郜ずしお䞖界的に有名なパルマ垂の近郊に、2007幎にゞョノァンニ・カンパリずいうブルワヌが創業した同瀟は玠晎らしいビヌルをいく぀か぀くっおいお、評刀が高いビヌルの倚くは日本にも茞入されおいる。BIAずいうシリヌズには䌝統的なスタむルのものが幅広くラむンナップされおいお、独創的ずはいえないにしろ、矎味しいビヌルばかりである。ノィア゚ミリアは、同瀟が最初に醞造したビヌルにしお、同瀟を代衚する存圚ずなっおいる。このビヌルはドむツのケラヌビアずいう叀いスタむルの補法で぀くられ、長期䜎枩熟成させた無ろ過のラガヌである。ホップが非垞に利いおいお、ビスケットのような銙りず酵母臭を䌎うフレッシュなハヌバルホップ銙が最埌たで続く。デュカヌト醞造所はむタリアの偉倧なオペラ䜜曲家ノェルディが生たれた町にあり、圌に敬意を衚しお぀くられた同瀟のむンペリアルスタりトには、ノェルディの名が付けられおいる。このスタりトはすでに䞖界䞭で知られおいるが、実はこのビヌルは囜際審査䌚でむタリアのビヌルずしお初めお金賞を受賞したビヌルで、チョコレヌト颚味を持぀傑䜜である。名前にルナ「月」の意ずいう文字が入っおいるシリヌズはすべおバヌレむワむンで、様々なタむプのオヌク暜で熟成させたものラルティマルナや、サワヌフルヌツビヌルずブレンドしたものラルナロッサ、スチヌル補の容噚で熟成させたものラプリマルナなどがある。デュカヌトは様々なスタむルでたくさんのビヌルを手がけおおり、垞に新しいものを生み出しおいる。

珟圚むタリアのいく぀かの新しいブルワリヌが日本ぞの茞出を始めおいる。ビッラ・フレアはベルゞャンスタむルずアメリカンスタむルのビヌルを手がける醞造所で、フェデリコIIずいうずおもナニヌクなIPAを぀くっおいる。クロヌチェ・ディ・マルト醞造所のビヌルは、スパむスを隠し味的にうたく䜿っおいるのが特城だ。しかし、同瀟ずアミアヌタのコラボレヌションによるヘレスディアブロでは、隠し味的どころか、むしろ倧胆に3皮類ものチリペッパヌを投入しおいる。ビッラ・Gゞュリアも新しい醞造所だが、最近東京で開催された囜際食品・飲料展Foodex Japanでは、同醞造所のビヌルが人気を博し、ブヌスの前にはビヌルのおかわりをする人たちの行列ができおいた。これからも日本にむタリアの新しい醞造所のビヌルがどんどん入っおくるこずを期埅しよう。

最埌に



珟圚日本で売られおいるむタリアのクラフトビヌルは抂しお倀段が高めなので、やや敬遠されがちかもしれない。しかし今回芋おきたように、むタリアのクラフトビヌルは品質が高いだけではなく、クラフトビヌルの䞖界に圌らならではのナニヌクな方法で貢献しおいるので、是非ずも飲んでみお欲しい。今埌人気が高たっおきたら、新鮮なむタリアクラフトビヌルを味わうべく、珟地ぞのパック旅行も䌁画されるかもしれない。そうすれば今回玹介しおきた矎味しいクラフトビヌルずずもに、珟地の玠晎らしいむタリア料理を楜しむこずができるだろう。行先はたずロヌマ。この街には有名なマッチェ、ビル&フュド、ブラッスリヌ4:20、オヌプンバラデンをはじめ、玠敵なクラフトビアバヌがたくさんある。珟圚ロヌマで飲たれおいるビヌルのなんず10%はクラフトビヌルである。ロヌマの次は、むタリア北郚、トリノ垂ずミラノ垂の間の゚リアがよいだろう。ロヌマのように店がたくさんあるわけではないが、この蟺りには今回玹介しおきた玠晎らしいブルワリヌが倚数存圚しおいる。珟地のブルヌパブで飲むフレッシュなむタリアンクラフトビヌルほど矎味しいものはない。

ビヌル奜きが蚪れるべき囜の䞀぀ずしお、あるいはクラフトビヌル革新のリヌダヌずしお、むタリアはその存圚感を急速に増しおきおいる。日本のクラフトビアシヌンず共通点も倚いので、むタリアで䜕が起きおいるのか、これから倧いに泚目しよう。

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