けやきひろば 春のビール祭りも、そうした素晴らしいイベントのひとつだ。4日間に渡り人通りの多い屋外の広場で開催されるこのイベントは、日本で最も人気のあるクラフトビア・イベントの一つへと急速に発展した。クラフトビアにあまり馴染みのなかった人たちを呼び込むことに成功したのは、明るい兆しだろう。彼らが残りの364日もつまらない発泡酒を飲むことを控えて、こちら側に来てくれれば良いのだが!
東京のクラフトビア・ウィークは例年通り、5月の終わりに恵比寿で開催されるビアライズフェスティバルからスタートした。奇しくも同じ週末に、巨大なイベントであるオクトーバーフェストが日比谷公園で行われ、大阪ではCraft Beer Liveが2日間に渡り賑やかに催された。産業が成熟すると、イベントが重なってしまうのは避けられないこと。複数のイベントへ同時に出品する醸造所も出てくる中で、イベントの主催者は他との違いを出すために、ビール以外のアトラクションにも目を配る必要があるだろう。いい音楽、美味しい料理などは、良い糸口になる。
若いフラダンサーを楽しむのもいい。小さな街・富山のタナバタビアフェスタへようこそ。私たちの大好きなイベントの一つであり、今年も期待通りだった。アメリカのワールドビアカップ2012で金メダルを受賞した富士桜高原麦酒が、売上トップの座を地元の城端麦酒から奪った。同じくワールドビアカップで金メダルを受賞した箕面ビールも、手堅く3位を獲得した。イベント当日の遅くに結果がわかるこのようなブルワーたち内輪のコンペも、イベントの楽しみのひとつだ。また、これまではフェスティバルに参加しなかった醸造所であるベアレンやCOEDOの参加は、驚きを持って迎えられた。これが新しい始まりとなることを期待して止まない。
このタナバタビアフェスタで、私たちは最近結婚したばかりの山岡茂和さんと揚子さんに会った。茂和さんは先に紹介した山岡酒店を経営しており、揚子さんは様々なビアフェスティバルでボランティアとして参加していた。この結婚はビールが取り持った出会いというところだ。おめでとう!
ナガノトレーディング、えぞ麦酒に加え、AQビボリューションとEvergreen Imports LLCの2社の新規参入により、アメリカのクラフトビアの輸入はこのところ、さながらゲームのように熱い。国内の醸造会社は過度の競争を不安視しているだろうか?恐らく、心配には及ばない。オーストラリアにシンガポール、香港といった国が、日本のクラフトビアに大きな関心を寄せているからだ。むしろ問題は、日本のクラフトビア醸造所がそれに見合う生産量を確保できるかどうかだろう。タンク・メーカーの皆さん、ご準備を!
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