Beer Diaries (Autumn 2010)

夏が終わって冬になる前の短い期間で楽しめる秋限定ビールがあるのをご存知でしょうか?その中でも有名なものがパンプキンエール。10月の終わりのハロウィンの象徴的なイメージのあるかぼちゃですが、秋がまさに収穫時。そのかぼちゃをそのまま切ったものやローストしたもの、ピューレ状にしたものなど、どんなかたちであれ、かぼちゃを使用してつくられます。かぼちゃだけではなくスパイスにも特徴がでます。パンプキン・パイをつくるときに使われるクローブやシナモン、ナツメグがつかわれるなどその材料は様々なようです。特にこれといった定義のないパンプキンエールだからこそ、作り手の個性がでてくるのかもしれません。

ハーヴェスト・ムーンでつくられているのは甘すぎないマイルドな味わいにクローブ、ナツメグ、シナモンなどのスパイスが特徴的なパンプキンエール。なんだかとほっとする後味が印象的です。

秋限定ビールというとアメリカのブルワリーでは圧倒的にパンプキンエールが多いようですが、秋といえば「収穫時期」ということで、ハーヴェストエールがでてくるのもこの季節。ニューヨークのサザンティア・ハーヴェストエールはフレッシュなホップをつかったエキストラ・スペシャル・ビター。ドラマチックなホップの香りの後にモルトのフレーバーとホップの苦みのよいバランスが、フィニッシュまで続きます。志賀高原とノルウェーのNøgneØがコラボレーションしたNot So Mild Ale Harvest Brew もフレッシュなホップを使用した、ホップの爽やかさとマイルドな口当たりが特徴のハーヴェストエール。秋にゆっくりと飲むのに最適なビールでしょう。

他にも秋を感じさせるビールでは北海道のノースアイランドブルワリーの地元産のりんごをつかったりんごビール、鹿児島の城山ブルワリーでは津軽スチューベンという糖度の高いぶどうをつかった小麦ビールもあります。

ビールを通して季節を感じることができるとビールを飲むのも楽しくなります。お気に入りの季節限定ビールをみつけてまたその季節がくるのを待つことも、楽しみのひとつになるのではないでしょうか。

by Sugiyama Miho

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