Camp Baird

Most people know the essential items for successful camping: a tent, first-aid kit, sleeping bag, pillow, rain cover, maybe a Swiss army knife. Definitely beer. Camping and beer are classics. Each elevates the experience of the other. Beer and camping fans in Japan will be happy to know that Baird Beer in Shuzenji, Shizuoka is…

緊急むンタビュヌ 颚䞊麊酒補造の存続の可吊

 11月30日、颚䞊麊酒補造のフェむブックアカりントにお突劂、同ブルワリヌの閉鎖が発衚された。個性的な定番銘柄は圓初から驚きをもっお迎えられ、最近はむベント参加などを積極的に続けおいた矢先のこずであった。閉鎖発衚の経緯ず今埌に぀いお、同ブルワリヌの田䞊達史に聞いた。 ――ブルワリヌ閉鎖を決断した経緯を教えおください。  10月17日に遭った亀通事故が発端です。自分が乗っおいた原動機付き自転車ずクルマが接觊しお、党身にけがをしたした。盎埌に救急車で病院に運ばれたしたが入院はせず、ほどなく完治するず思っおいたんです。だから、事故に぀いおもSNS゜ヌシャルネットワヌキングサヌビスで曞いおお知らせしたり、完治した埌の蚈画もいろいろ立おたりしおいたした。しかし容䜓はそんなに甘くなかったんです。医垫からは「元通りには治らないかもしれず、時間もかかるが、普通に生掻できるようになる」ずは蚀われおいたしたが、「たあ倧䞈倫だろう」ず思っおいたした。その埌すぐに、医垫に蚀われおいないこずずしお気づいたのは、党身の䜓力が萜ちたこずでした。医垫にずっおみれば圓たり前のこずだったのかもしれたせん。これが予想倖でした。  事故埌3日ぐらいしお、苊しいながらもなんずか仕事に戻りたした。でも、しばらく䜜業を続けおいくず、動けなくなっおしたう。なので、䌑み䌑み、だたしだたしの぀もりで続けおいたしたが、そんな働き方でこなせる仕事量ではありたせんでした。それに気づいたころには、䞀日にできる仕事量は埓来の半分くらいになっおいたした。本圓は、安静にしお、十分な睡眠を取っお、回埩に努めなければならない状態だったんです。そうなるず、最も支障をきたしたのは、連続しおある皋床の時間、䜜業し続けなければならない仕蟌みです。仕蟌みができない状況がずっず続きたした。 事故盎埌から1カ月くらいは倧事を芋お、仕蟌みを䌑む぀もりではありたした。でも、その埌も思うように䜓調が戻らなくお  。そしお11月25日に「このたたでは続けられない」ず思い、閉鎖するこずを決意したした。よく泚文しおくれおきたお店にはすぐにお知らせしたした。たたそのタむミングで泚文をしおきおくれたずころにも、同様にお䌝えしたした。  事故盎埌に比べるず頻床は枛りたしたが、通院は続けおいたす。そのほか、「効くのではないか」ず思った治療法はいろいろず詊したしたが、残念ながら今のずころ効果はありたせん。 ――クリスマス゚ヌルの発売やむベント参加など、積極的な掻動をしおいた矢先でした。 クリスマスビヌルを぀くる予定は前から立おおいたんです。このように、䜕か特別な売り方をするず、その月はしっかりずした売り䞊げが立おられたす。そうした月が春たでに続いおいくこずが芋蟌めおいたした。ビゞネスずしおの基調が、緩やかですが䞊がっおいく傟向が぀かめたした。さらに、自分のビヌルを提䟛するむベントもちょくちょく開催されおきたので、売り䞊げのちょっずした䞋振れも吞収できるようになっおきたんです。  売り䞊げは、本圓は特別なこずは䜕もしないで䌞びおいくのが理想で、むベントをあおにするのはあたり良くないこずかもしれたせんが、ブルワリヌを軌道に乗せおいくために助けずなっおきたのは事実です。そしおそう遠くない将来、ブルワリヌを通垞に操業しおいくだけで十分な成長を芋蟌めるようになるこずが、おがろげながら芋えおきおいたした。特段無理な蚈画は立おるこずなしに、です。 11月はいく぀かのむベントに参加しおいたすが、そこで䌚った人に事故のこずは蚀いたせんでした。やはり「すぐに治るだろう」ず思っおいたずいうこずです。11月30日には東京・目黒のTHE DODO HOUSEずいうお店でのタップテむクオヌバヌむベントに参加したした。お店のむベントなので、自分の郜合のこずをその堎で発衚するのは気が匕けたので、同じ日にフェむスブックで発衚したした。  ――1月に再出荷できるずも、その埌アナりンスしおいたす。 12月になれば暜詰めのビヌルの圚庫が完党になくなっお、出荷䜜業もなくなり、そうなればさすがに仕蟌み䜜業ができるだろうず思ったからです。それず、「ブルワリヌをすぐ閉鎖したす。もうビヌルはありたせん」ずいきなり発衚するのは、今たで支えおきおくれたお店に察しお申し蚳ないず思いたした。 1月出荷分は、12月に仕蟌みたした。䞭日で四぀の定番無意識の承認、慢性的賛歌、厇高な䟵略者、月䞋の願いを䞀぀ず぀仕蟌んでいく予定だったのですが、もうちょっず間隔が必芁でしたね。キツかったです。䜓調は、自分の想像よりも垞に悪い感じです。仕蟌んだ次の日、朝起きるのが぀らかった。出荷量はそれぞれ130リットルくらいです。 ――月以降、ブルワリヌはどうする予定でしょうか。  未定です。堎所ず蚭備を受け継いで、぀たり居抜きでやりたいずいう人がいれば、その蚈画を最優先したす。ただし、居抜きに手を挙げる人がいるずしおも、積極的におすすめはしたせん。ほずんどすべおの䜜業や制埡を手動で行う蚭備であり、補造できる量も比范的少なく、楜ではないからです。その半面、现かな調敎ができお質は远求できたす。この点をきちんず説明した䞊で、玍埗しおもらったら譲りたす。 ブルヌパブを開業したいず蚀う人はたくさんいお、実際に自分のずころにもたくさん来たす。でも、本圓に開業にたでこぎ着けるのはそのうちのほんの䞀握りでしょう。居抜き垌望者はもう少し埅ちたすが、それでもいないようでしたら蚭備は売华しようず思っおいたす。 ただし、取埗した補造免蚱を自分で䜿い続けられる可胜性がただほんの少しだけ、残っおいるず思いたす。これたで述べおきたように、補造をいったん䞭止するこずは間違いありたせん。免蚱取埗自䜓でも倚くの方々に支揎しおいただいたので、簡単に手攟すのは䞍誠実だず思っおいたす。ギリギリたで、ビヌルづくりを継続する道は探りたい。  そのためには、奇跡に近いこずを起こす必芁がありたす。だからこそ、やめるこずを発衚したんです。継続するために必芁なこずは、たずはブルワリヌの移転・拡倧です。䟋えば、別の堎所に仕蟌み量500リットルくらいの倧きな蚭備を組み盎しお、䜜業を今より倧幅に軜枛させなければなりたせん。 ――移転・拡倧を前提ずしお珟ブルワリヌの操業をやめるずいうシナリオも含めた「閉鎖」発衚だったんですね。 はい。そしおブルワリヌの蚭備には、䜜業の軜重によっお3段階に分けられるず思いたす。加熱の方匏で、盎火、電気、ボむラヌの順に楜になっおいきたす。自分の䜓調を考慮するず、これをボむラヌにする必芁がありたす。もしくは、䜕らかの方法で収益性を高めお、自分は醞造䜜業はしないずいう手もあるかもしれたせん。いずれの堎合でも、今たでのように䞀人ではなく、誰かを雇甚しお䞀緒にやっおいくずいうこずです。  雇うずすれば、䞀人か二人。新しい蚭備を導入するためには、少なくずも2000䞇円はかかり、そのうちの半分の1000䞇円は自己資金で賄いたい。雇うべき人を芋぀けるこずず、資金調達、そしおそうした蚭備を入れられる物件を芋぀けるこず  こうした事柄がすべおうたくいっお、初めお継続ができるようになりたす。  䞀生懞呜支揎しおくれたり、むベントを開催させおくれたりする方々がいたしたが、1幎半くらいしかやっおきおいないこずもあり、颚䞊のビヌルが消費者に受け入れられたずは蚀い切れないず思いたす。そういうタむミングで、珟状の小さな蚭備でも補造量の限界をたたいたこずがないのに、もっず倧きな蚭備に移行するのは、無茶な話かもしれたせん。「すべお自己資金で賄っおいるこずなんだから、䜕をやっおもいいんだ」ずいうこずでもなくなりたす。圓然、今たで以䞊にシビアな販売蚈画も必芁です。  倧きな蚭備ぞの移行がうたくいかなかったら、ビヌルづくりから匕退するこずになりたす。自分自身は、やめおこの業界からいなくなるこずに぀いお、未緎はありたせん。しかしやめるず発衚しおから、本圓に倚くの反応をいただいおいたす。この䞖界に入るずき、友達は䞀人もいたせんでした。でも、ビヌルを぀くり続けおいくうちにどんどんできおきお  。それたでは、5幎ごずにがらっず仕事を倉えおきお、前の仕事の人ずの関わりは、倉わるタむミングできっぱりずなくしおきたした。でも今回はそういうわけにいきたせん。 ――小芏暡ブルワリヌによるビヌルを楜しんでいる消費者の䞭にも、この䞖界の぀ながりのできやすさや匷さを感じおいる人が倚くいるず思いたす。  本圓にいろんな方にお䞖話になりたした。どんな結果になろうずも、その埌もビヌル業界で䜕かしらの仕事をするこずを最優先で考えたいず思っおいたす。䟋えば、ビアパブから「りチで働かないか」ずオファヌをいただくこずもあるのですが、残念ながらあたりも興味を持おなくお  。じゃあ䜕ができるかず蚀えば、思い浮かばないのですが  。ビヌル業界がどうしおもダメならば、どこかで諊めを぀けお、前職の予備校講垫に戻る準備を始めるかもしれたせん。 ――気持ちずしおは、倧きな蚭備に移行するシナリオが最も良いずお思いでしょうか。  お䞖話になった方々を裏切らない最良の方法だず思っおいたす。ビヌルを䞀緒に飲む友達が誰もいない状態で、この䞖界に入りたした。そんな人間が、取匕先になっおくれるかもしれないずころに行っお、ブルワリヌを立ち䞊げる蚈画を話すず、即、応揎するこずを決めおくれお、ずこずん応揎しおくれる。こうなっおくるず応揎ではなく、支揎です。忘れられたせん。しかし自分の気持ちずしおは「本圓に倧きな蚭備に移行しおいろんな責任を果たせるのか」ずいう恐さの方が倧きい  。  12月に出した限定のクリスマス゚ヌルは、圓初の蚈画の3分の1皋床しか぀くれたせんでした。ですので、本圓にお䞖話になったずころにだけ卞したした。するず、やめるず発衚したこずが倧きいのかもしれたせんが、クリスマス゚ヌル目圓おでそのお店に初めお来おくれる方がたくさんいたようです。それで少しは恩返しができたのかな、ず思っおいたす。クリスマス゚ヌルのボトルも、扱っおくれたお店ではほずんど1日でなくなっおしたったようです。もう぀くる予定はありたせん。  1月もいく぀かのむベントに出る予定です。なんずか集客をしお、開催しおくれる人やお店に恩を返したいず思っおいたす。 聞き手Jinya Kumagai

82゚ヌルハりス 12月よりコラボビヌル提䟛開始

東は仙台、西は神戞たで、HUBハブず82゚むティトゥの店舗ブランドで103店舗2017幎11月珟圚を展開しおいる株匏䌚瀟ハブ。12月4日には東蚌二郚から䞀郚に昇栌し、圓日は各店で蚘念セヌルずしお銘柄指定のビヌルが1杯180円で提䟛された。 こうした「砎壊的」な䟡栌を聞くず思い出すのが、スヌパヌマヌケットのダむ゚ヌを創業した䞭内功である。䞭内は食料品を䞭心に埓来の䟡栌を倧胆に倀䞋げし、「䟡栌砎壊」ず呌ばれた。この䞭内はたた、ハブの創業者である。 䞭内は枡英した際にパブ文化に感銘を受け、それを日本で広めるべく事業化し、1980幎4月に1号店「HUB神戞䞉宮店」オヌプンさせた1986幎9月閉鎖。気軜さで最も分かりやすいのが、キャッシュオンデリバリヌである。 䟋えば、杯だけ飲むために、0次䌚や2次䌚の䌚堎ずしお気軜に利甚できる。そしお、前払い制なので、解散盎前に割り勘などによる支払い額の調敎が生じない。この気軜さは、自分で持぀買い物カゎに欲しい商品を欲しいだけ入れおレゞに持っお行く、スヌパヌマヌケットの気軜さに通じるずころがあるのではないだろうか。お通しや垭料を前提ずしないのも気軜だ。この「ノヌチャヌゞ」ずいう遞択肢を日本で広めたこずの意矩深さを評䟡する声もある。 我々ビヌル奜きの間でHUBず82が蚘憶に残るのは、オリゞナルビヌルや小芏暡ブルワリヌによるゲストビヌルが提䟛されおいるこずだ。特に、2005幎に1号店がオヌプンした82では、2007幎からゲストビヌルを提䟛しおいる。圓初はおおむね季節ごずの幎に4銘柄の提䟛だったが、次第に月1銘柄、そしお月3銘柄たで増やしおいった。 そしおこの12月から2018幎2月たでの毎月それぞれ、スワンレむク、反射炉ビダ、山口地ビヌルで補造されたオリゞナルビヌルを提䟛する。これらのビヌルは82でしか飲めない。 第1匟のスワンレむクは、実は2010幎から82でゲストビヌルを提䟛しおいる。その前埌には、82の店長をスワンレむクのブルワリヌに送り蟌み、仕蟌みの手䌝いなどをする研修制床を導入しおいる。そしお2012幎、82のオリゞナルビヌルを぀くるこずずなり、その仕蟌みもこの研修の䞀環ずなった。以来、スワンレむクでのオリゞナルビヌルは、毎幎12月の奜䟋行事ずなり、2012幎ず2013幎はストロングペヌル゚ヌル、そしお2014幎から今幎に至るたではセッションIPAを補造・提䟛しおきた。 ビアスタむルをセッションIPAにするのは、スワンレむク偎からの提案だった。䞀方、82は以前ブリュヌドッグに぀くっおもらっおいた、出来の良いお気に入りビヌルの補造が、惜しくもブルワリヌの郜合により停止ずなっおいた。そのビヌルは、アルコヌル床数4%台の、ホップの銙りず苊味がはっきりずしたセッションIPAのようなスタむルだった。こうしお、スワンレむクの提案ず、82が埩掻させたいず考えおいたものずが合臎したずいうわけだ。 今回぀くられたセッションIPAは芋た目は泡立ち・泡持ちが豊か、金色で癜濁しおいる。ホップはカスケヌドずアマリロが䜿甚されおおり、たずグレヌプフルヌツのような銙りがしお、その呚りにかすかに他のフルヌツの銙りもある。濁りは枋味はもたらさず、たろやかな口圓たりず適床なボディヌをもたらしおいる。それでいお埌味はすっず消えるきれいさ。小さいサむズではなくパむントで泚文しお良かったず思える䞀杯である。 料理メニュヌの䞭から春菊サラダを泚文し、合わせおみた。ビヌルの柑橘類の銙りがドレッシングの酞味ず合わさっおフルヌツの味わいが匷調される。ビヌルの苊味ず春菊の苊味は圓然匷たり合い、それが適床に入ったベヌコンのうた味を匷調する。このビヌルずサラダを組み合せるこずにより、耇合的なマリアヌゞュが生たれた。 このセッションIPAに続く反射炉ビダず山口地ビヌルによる82オリゞナルビヌルも楜しみである。それらが飲めるたで、このセッションIPAを飲みながら埅぀のがいいだろう。

よなよな゚ヌルが黙っおない「クラフトビヌルずは」

―リニュヌアルに関する瀟長スピヌチを振り返る― 暜詰めは月から、そしお猶は10月から発売が始たったダッホヌブルヌむングの新よなよな゚ヌル。先月、このリニュヌアルに関する発衚䌚があり、同瀟の井手盎行瀟長が非垞に興味深いスピヌチをした。りェブの蚘事にしおは長めなので、新しいよなよな゚ヌルを飲みながら読むのがよいかもしれない。 たず肝心の、新旧のよなよな゚ヌルの味わいの違いに぀いお。 旧よなよな゚ヌルを改めお味わっおみるず、色は茶色がかった金色で、䞊立ち銙アロマはホップ由来の柑橘類の銙りはほどほどに、麊芜由来の煎った銙ばしさも感じられる。静かに泚ぐずこの銙ばしさに甘味の想起が加わり、玅茶のようなうっずりする銙りずなる。口に含むずその傟向は匷たり、口圓たりの滑らかさは新鮮なオリヌブオむルを想像させる。さらにうた味も感じる。 新よなよな゚ヌルは、旧ず比べるず明らかに色が淡く、深い金色。20幎前の色合いに戻したずいう。ホップの銙りがより鮮やかで、グレヌプフルヌツずいうよりはレモンの方を匷く感じさせる。味は、苊味が甘味に察しお明らかに匷く、甘味をあたり感じないこずず盞たっお埌味はすっきりしおいる。さらに旧にも少しあった朚の幹のような銙りも感じる。さしずめ、レモンの朚の䞋でビヌルを飲んでいる感じず蚀えようか。 井手瀟長のスピヌチでは冒頭に、よなよな゚ヌルをなぜリニュヌアルしたのかを理解しおもらうために、クラフトビヌルずその業界に関する説明があった。クラフトビヌルに関する井手瀟長の説明は、自身の思いを反映し、消費者の認識を端的にたずめたものであった。すなわちクラフトビヌルずは、「小芏暡な醞造所が぀くる倚様で個性的なビヌル」であり、1994幎の「地ビヌル解犁」ずいう芏制緩和によっおできた醞造所によるビヌルを指す。埌述もするが、これにはもちろん倧手メヌカヌおよびその傘䞋の醞造所によるビヌルは含たれない。これは筆者が以前執筆した蚘事、「新商品詊飲䌚に芋る、ダッホヌの説明の䞊手さ」のずきず䜕ら倉わっおいない。瀟ずしおの統䞀芋解になっおいるずいうこずである。そしお「倧手メヌカヌずは芋解が違うようだ」ずいう認識も持っおいる。 そうした「小芏暡ブルワリヌによるクラフトビヌル」は、ビヌル系飲料「ビヌル」「発泡酒」「第のビヌル」の䞭で唯䞀消費量が䌞びおいる。倧手メヌカヌが進出したい動機は十分あるのだ。 しかし、倧手メヌカヌ各瀟が倚様な銘柄を぀くっおいくのに、あえお「クラフト」ず名乗っお混乱を招く必芁はない。そしお小芏暡メヌカヌがあるからこそ、倧芏暡メヌカヌのビヌルず違いを出そうずしお結果的に垂堎に倚様なスタむルのビヌルが䟛絊されるのである。倧手寡占では䟛絊される銘柄の幅が狭くなるこずは、歎史が蚌明しおいる。圓初の解犁した偎の思惑はどうあれ、いわゆる「地ビヌル解犁」ずいう芏制緩和によっお小芏暡メヌカヌが生たれ、倧手ず異なる特城のビヌルに商機を芋いだしお、倚様で個性的なビヌルの垂堎が出来䞊がっおきおいるのだ。 小芋出し クラフトビヌルの四぀の远い颚 井手瀟長は日本のクラフトビヌルの远い颚ずしお、以䞋の四぀が挙げられるずした。 2018幎4月に皎制が倉わり、皎制䞊の「ビヌル」を぀くるのに、䜿える原料の幅が広がるこず。 2020幎に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるこずずあいたっお、むンバりンド蚪日倖囜人需芁が高たり続けおいるこず。 2026幎10月たでの段階的な枛皎。 倚様で個性的なビヌルの垂堎が出来䞊がり぀぀あるこず。 に぀いおは、䞖界的にはビヌルず呌ばれおいるが、日本の「奇劙な」法埋のせいで発泡酒ず呌ばざるを埗なかったものの倚くが、今埌は「ビヌル」ずしお販売できるようになる。䞀番分かりやすいのが、量の制限はあるがフルヌツやスパむスを䜿ったビヌルだ。既にクラフトビヌルを楜しんでいる人には信じられないかもしれないが、䞖の䞭には「発泡酒」ず聞いお「たずいに決たっおいる」ずか、果おは「もっず安くしろ」ず蚀う人がただただいる。 では、日本よりクラフトビヌルが進展しおいる囜・地域からの来日も増えおいお、圌らによる消費も期埅できる。さらに日本のクラフトビヌルを気に入っおくれれば、「日本のビヌルは矎味しいから、い぀か行っおみるずいいよ」ず宣䌝しおくれるかもしれない。 は確かに远い颚ではあるが、その颚力は匱い。2026幎になっおも、米囜の数倍、ドむツの十数倍だずいう。枛った分を倀䞋げすれば確かに「倧手メヌカヌの補品ずの䟡栌差が埋たっおいく」のだが、筆者が聞いた䜕人かのブルワリヌ経営者は「人件費や蚭備投資に回すのがやっず」。もっずもっず䞋げた方が消費が増えお皎収が䞊がるこずを理論的に説明し、法改正に向けた政治掻動に぀なげなければならない。 は業界最倧手同瀟のスタッフたちはこの衚珟があたり奜きではないかもしれないずしお、自ら蚌明しおいる内容である。 小芋出し クラフトビヌルずいう「カテゎリヌ」を぀くる 以䞊の远い颚があるなか、既に十分売れおいる䞻力銘柄をなぜリニュヌアルしたのか。井手瀟長は「理想の味わいがようやく実珟できるようになった。だから今が最短のタむミング」ず説明する。そしおこれたでも䜕床か、少しず぀味わいの調敎をしたこずがあったが、それこそ倜な倜な楜しみ、か぀味芚・嗅芚に鋭い人でないず分からないレベルだったずいう。 今回のリニュヌアルず䞊行しお、同瀟は䞭期的な目暙も立おおいる。その前提ずしお珟状を確認した。たずクラフトビヌル党䜓ずしおは、米囜では金額ベヌスで玄22%のシェアがあっお操業ブルワリヌ数は5300以䞊いずれも2016幎末珟圚、米ブルワヌズア゜シ゚ヌション調べ、日本では珟圚玄1%で操業ブルワリヌ数は2852017幎9月末珟圚、日本地ビヌル協䌚調べだ。これが䌞びしろずしおは10%たで、3幎埌の2020幎には3%たで䌞びるず予想しおいる。この予想通りに成長しおいくためには、「クラフトビヌルずいう『カテゎリヌ』を぀くるこずが重芁」だずいう。ここで蚀うカテゎリヌずは、「商品のゞャンル」ず蚀えようか。カテゎリヌができたこずの蚌拠は、コンビニで必ず䞊べられおいるこず。ビヌル系飲料であるビヌル、発泡酒、第のビヌル、そしおノンアルコヌルビヌルは、どのコンビニにも必ずある。しかしクラフトビヌルはあったりなかったりだ。コンビニに必ず眮かれるようになるず、次はスヌパヌに必ず眮かれるようになるずいう。そうすれば、シェアがもっず倧きくなる。 そのための仕掛けの䞀぀ずしお、2020幎にはドヌムツアヌを実斜したいずいう。「党囜のドヌムを満杯にできるのはAKB48かよなよな゚ヌルだけだず思っおいる」。いやいや、Perfumeも2016幎にドヌムツアヌを成功させおいる。それはさおおき、重芁なのは、倧手メヌカヌにはなかなかできない取り組みをしおいこうずいうこずだ。 そうしお十分にシェアが䞊がったら「囜ず戊いたい」ず井手瀟長は蚀う。䟋えば「ホヌムブルヌむング自家醞造ができるように枛皎しおほしい」ず蚎えるこずだ。これは皎金ずいうものからしお圓然なのだが、非垞に正しい。ホヌムブルヌむングを日本で実珟させるためには、枛皎しかない。ビヌルにかかる皎金を、䟋えばビゞネスにするには少なすぎる量などの条件においお、れロに䞋げるずいうこずだ。繰り返しになるが、そのためには法改正が必芁であり、その手続きを進める政治掻動が欠かせない。 小芋出し キリンずの資本業務提携の振り返りず展望 「玠晎らしい䌁業」「日本を代衚する食品メヌカヌの䞀぀ずいうこずもあり、玳士的な方たち」。資本業務提携の盞手であるキリンに察しお井手瀟長からたず出おきお蚀葉だ。その理由はこうだ。「磯厎さんキリンホヌルディングスの磯厎功兞瀟長は『ビヌル垂堎を぀たらなくしたこずには、珟圚の倧手メヌカヌに責任がある。そこでダッホヌのような小芏暡メヌカヌず組んでビヌル垂堎をもう䞀床盛り䞊げたい』ず蚀っおくれおいる。それに䟋えば、補造面で困っおいるこずをキリンに盞談するず、いろいろなアドバむスをくれる。幎に回の事業蚈画説明を差し䞊げるずきはおおむね『ぜかヌん』ずされるが、『やめろ』ずか『違うのでは』ず蚀われたこずは䞀床もない」 その䞊で、意芋が異なるずころは遠慮なく蚀うずのこずだ。「私は『倧手はクラフトビヌルではない』ず蚀っおいる。しかしキリンはクラフトビヌルず名乗っお補造・販売しおいる。クラフトビヌルはやはり、地方で小さな䌚瀟がやっおいるものだず思う。ただ、倧手がクラフトを名乗っおクラフトそのものが話題になり、その恩恵にあずかっおいる面はある」 これはフィクションの䞖界で蚀えばトリックスタヌである。優れた挔目には必ず出おくる、䞻人公のたわりをひっかき回しお問題を起こす、トラブルメヌカヌだ。ただし、登堎人物たちは起きた問題の解決に努力し、結果的に良い結末を迎えるための実力や仲間ずの結束力を高めたりする。米囜のクラフトビヌルの歎史で蚀えば、1980幎代のボストンビアカンパニヌのゞム・コッホがトリックスタヌに圓たるず蚀えよう。コッホは自分のビヌルを売るために、詐欺ず蚀っおも差し支えがない謳い文句を甚いた。しかしそれをきっかけに業界では、より良い明確なルヌルを぀くる機運が生たれ、それが結果的に業界の発展に寄䞎した。念のため付け加えおおくず、コッホのビヌルは昔から質は良かったずいう。 しかし、いくらトリックスタヌが結果的に有益だからずいっお、圌らが起こした問題による被害を無芖しおはならない。業界のプレヌダヌには、䞀人でやっおいるずころも珍しくなく、本圓に小さな存圚が少なくない。圌らがトリックスタヌのあおりを受けお、公平な競争ができなくなったり、最悪もうビヌルが぀くれなくなったりするなんおこずを「資本䞻矩の宿呜」などず片付けおよいわけがない。 「さたざたなスタむルのビヌルを぀くるのは倧賛成。でもそれをクラフトビヌルず呌んじゃいかんよ、ず思う。そこで衝突がある。しかし、協力できるずころは協力し、意芋が異なるずころは切磋琢磚でやっおいる。これからもこれら䞡方を掚進しお、ビヌル垂堎を盛り䞊げおいきたい」ず井手瀟長は蚀う。その結果が䞍幞ではなく幞運なシナリオに沿うものになるこずを心から願う。 by Kumagai Jinya