みちのく福島路ビール

〜黄金桃リッチエール〜

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福島市のブルワリー、みちのく福島路ビールの季節限定銘柄「黄金桃(おうごんとう)のリッチエール」の販売が好調である。黄金桃は福島県産の桃の希少品種。8月下旬から9月上旬に収穫され、皮や果肉が黄色く甘い香りがすることから「北のマンゴー」とも呼ばれる。実が付きにくいなど栽培が難しく収穫期間が短いため、栽培する農家は多くないが、実に450年の営農の実績を誇る伊達農園(福島県伊達市)などで栽培されたものを使っている。

昨年3月に初めて発売され、繊維が多いために果汁づくりに苦労したというが、完成品は好評を得て、今年も製造・販売されることとなった。定番銘柄の「桃のラガー」と比べると、桃らしい香りがより強くなっている。単体でも十分楽しめるのが、はっきりとしたフルーティーな香りで例えば生魚や生肉の臭味を隠し、うま味をもっと前に出させる効果がある。

もう一つ、興味深い銘柄として登場したのは、ザ・リッチビターだ。これはビアスタイルで言えばウインナスタイルラガーで、麦芽の香ばしさがよく感じられる。それでいて、銘柄名の通り、はっきりとした苦味もあるので、火を通した肉料理に合わせると、香ばしさが高まり合いつつ、うま味を強化できる。

執筆・構成:Jinya Kumagai