取材・執筆: Kumagai Jinya
2015年11月8日、東京・両国のポパイにて、2015年ビアワングランプリの表彰式が開催された。ビアワングランプリは、今年9月21日に行われたビール審査会とビアフェスティバルが複合したイベントであり、今年で2回目を数える。
今回は、100以上のクラフトビール取扱店 (飲食店と酒販店)に声を掛け、各店が勧める銘柄をノミネート候補として挙げてもらうよう打診。その中から、季節限定や不定期醸造の銘柄を除外して、出品を募った。
そうして出品されたビールは、9月21日に来場した一般参加者にテイスティングの上、人気投票してもらい、そこに同日に別会場で実施された審査員による採点を加味し、八つの部門ごとに受賞銘柄を選出した。審査対象となったノミネートビール数は58銘柄、審査委員・ジャッジ は17人(審査委員長:藤原ヒロユキ)、一般投票数 (有効票、1人当たり最多3票まで投票可)は237人から593票であった。
部門ごとの受賞銘柄は以下の通り(ブランド名/銘柄名)。
○ウィートビール部門
門司港レトロビール/ヴァイツェン
○ライトカラーラガー部門
常陸野ネストビール/ラガー
○ライトカラーエール部門
のぼりべつ地ビール鬼伝説/金鬼SSSペールエール
○IPA部門
湘南ビール/IPA
○ダークカラービール部門
スワンレイクビール/アンバースワンエール
○スタウト&ポーター部門
いわて蔵ビール/オイスタースタウト
○ストロングビール部門
アウトサイダーブルーイング/ピットブルバーレーワイン
○フレーヴァー&スペシャリティー部門
アウトサイダーブルーイング/スコティッシュスモークエール
これらのうち、全ノミネート中で最高得点を得てグランプリとなったのは、アウトサイダーブルーイング(甲府市)のスコティッシュスモークエールであった。ブルワーである丹羽智は、「今年でビールをつくり始めて19年目であり、来年は20周年。この節目に大きな賞をいただき、本当に感謝しています」と喜びを語った。
「すみだBeer Festival実行委員会」とともにこの審査会を主催したNPO法人「日本の地ビールを支援する会」の青木辰男理事長(ご存じのようにポパイのオーナーでもある)は、「こうした審査会を続けて良いビールを伝えていきたい。これからクラフトビールをつくるメーカーや扱うお店も増えていくであろうなか、私たちが『これが美味しいビールだよ』と初めて飲む人に教えてあげる義務があるのではないでしょうか。そうすることでビールの文化が広がっていくと思います」と審査会の意義を語った。
表彰式の後は引き続き懇親会が開かれ、参加者は各受賞ビールを楽しんだ。