Craft Beer Baby

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ビールのイベントで「一番楽しい」と言う人が多い、けやきひろばビール祭り。その帰りに寄ってみたことがある人が多いのではないかと思う店が、2012年11月13日オープンした、さいたま市のクラフトビアベイビーだ。

埼玉県にはコエドや麦雑穀工房(Mugizakkokukobo)など、クオリティの高いメーカーが存在するにもかかわらず、クラフトビールを扱うお店はわずかしかなかった。クラフトビアベイビーは県庁所在地・さいたま市にできた、埼玉待望のお店なのだ。

クラフトビアベイビーの母体は、同じくさいたま市にある料亭・玉家である。玉家は1927年から営業している。現在の代表は西川和良(Kazuyoshi Nishikawa)で、就任して10年目。西川は、以前はレストランオペレーター企業の営業部長として、シガーバー、和食レストランなど様々な業態の飲食店を手掛けていた。

「『地ビール』ではなく『クラフトビール』として広まってきたときに、楽しさがあると思いました。その楽しさは、まさに『けやきひろばビール祭り』にあるあの雰囲気です。しかし、その『けやき』が開催されるさいたま市に、日本のクラフトビールを専門に提供するお店がないことに気付きました。だったら私たちがやろう、ということでお店をつくったのです。」

最寄駅はJR京浜東北線の浦和駅で、西口から徒歩4分。埼玉県庁へ通じる飲食店街の中にあり、周りには酒を飲む良い雰囲気が漂っている。

ベイビーという店名にはいくつかの意味が込められている。「まず、私たちがクラフトビールについて初心者だったこと。謙虚に学んでいきたいという意味を込めました。実際、オープン以来、お客さんや取引先のブルワーの方々に色々と教えていただき、まさに『赤ちゃんの成長』を見守って頂きました。一方で、ビールという素晴らしい飲み物を、赤ちゃんが笑うように無邪気に楽しみたいという思いもありました。」(西川)。

 現在、店長を務めている菊地寿(Hisashi Kikuchi)は、バーで1年働いた後、クラフトビアベイビーの立ち上げに加わった。そのバーではブリュードッグやミッケラー、トゥ・オールといった輸入ビールを扱っていた。日本のクラフトビールを扱うのはCraft Beer Babyが初めてだったが、アウトサイダーブルーイングの丹羽智(Satoshi Niwa)やTYハーバーブルワリーの阿部和永(Kazunaga Abe)に扱い方を教えてもらうこともあった。けやきひろばビールまつりではアウトサイダーブルーイングと組んで出店したこともある。その縁もあり、人気があってなかなか注文することができないと言われると評判の同醸造所のビールを、比較的多く扱っている。
ビールは10タップから提供され、ヴァイツェンとピルスナーはラインナップに必ず入れている。IPAを多めに揃えているのも大きな特徴だ。グラス280mlで600円~、パイント480mlで900円~とかなりお得な設定になっている。

 フードはこの冬にリニューアルし、新たに15㎝のピザが加わった。お一人様にもちょうどいいサイズ。継続して提供しているのは、ハム・ソーセージのオリンピックともいわれる、ドイツで開催されるコンテスト・IFFAでメダルを多数獲得しているスモークハウス(山形県高畠町)の畜肉だ。無菌豚レバパテ(バゲット付)850円、生ハム(2枚)とピクルス600円、グリル・ド・ぐるぐるソーセージ1000円、3種のボイル・ド・ソーセージ1200円と、お手頃な価格で楽しめる。

さらに、自家製ローストビーフは玉家の強みを生かしている。「仕込む際にかなり血が出るため、それほど広くないクラフトビアベイビーの厨房ではつくれません。そこで、大きな厨房がある玉家で仕込むことにし、クラフトビアベイビーで仕上げをすることによって、自家製で提供できているのです。」(菊地)

オープンして1年以上が経った。「かなり成長させて頂いた気がしています。お店のための意見を言ってくれるお客さんがいることが本当にありがたい。」(西川)

けやきひろばビール祭りの帰りだけでなくても、近くに行く際にはぜひ寄りたいお店だ。

Japan Beer Times経由で来店した旨をスタッフに伝えていただけけると幸いです。これに対し報酬は受けませんが、本誌がクラフトビアベイビーをサポートしていることを伝えたいのです!
*備考: 筆者は取材のために出していただいた料理とビールを無料でいただきました。

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